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藤川「リハビリすれば十分に回復は見込める」
緋山「そうよ、あんたならきっと…」
藍沢「ああ、俺だってあきらめるつもりはない」
俺がそういうとみんなは嬉しそうに微笑んだ。
一人を除いては……
白石「明日からリハビリ始めよう」
白石がそういうとみんなは続々と病室から出て行った。
その日の夜
俺はなかなか寝付くことができずベッドの上でぼーっと横になっていた。
時計のさす時刻は深夜1時。
もうとっくに日付が変わっている。
のどが渇いた……
そう思って水を取ろうとして視界に入ったのは不自由な右腕。
その右腕を見たときなんとも言えない胸の圧迫感に襲われた。
藍沢「…っ……」
首元を握り深呼吸をしていると胸の圧迫感はすぐに治まり俺は自分で水を取るのはあきらめ、枕元のナースコールを押した。
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白石side
当直だったため医局にいるとなったナースコール。
今日一緒に当直のナースの雪村さんは今医局にいなかったため代わりにナースコールに対応しようと病室を確認するとその病室は藍沢先生が入院しているICUからだった。
何があったんだろう?
あれほど人を頼ることを嫌う彼がナースコールを押すなんて……
少し早足で向かいそっとカーテンを開け除くとベッドの上でボーっとしている藍沢先生の姿があった。
白石「藍沢先生?」
そう声をかけると私がいることに気づいていなかったようで少し驚いたような表情をした。
白石「どうしたの?」
藍沢「水とってもらえるか?」
白石「あぁこれね」
そう言って近くにあったペットボトルの水にストローを挿して渡した。
白石「藍沢先生がナースコール押すもんだから何かあったかと思って焦ったじゃない」
藍沢「仕方ないだろ……この体じゃ水を飲むことも自分一人じゃままならない」
そう処置を施され自由に動かない腕を辛そうに見つめる藍沢先生。
悔しそうな表情を浮かべる彼になんて声を掛けたらいいのかわからず私たちの間には沈黙が流れた。
そんな沈黙を破ったのは藍沢先生の方で……
藍沢「名取は…どうしてる?」
白石「名取先生?」
藍沢「あぁ」
白石「仕事は普通にこなしてるけど……本心はわからない……もともと表情を表に出すようなタイプでもないし……」
藍沢「……そうか」
白石「また何かあったら呼んで」
藍沢「あぁ」
どんな状態でも自分より他人を気遣う藍沢先生。
きっと一人で苦しい思いを抱え込んでるのに……
何もできない自分が悔しかった。
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明日香 - RULIさん» コメントありがとうございます!更新が中々出来ず、その上長くなってしまい申し訳ないです。ただてさえ長いのにまだ長くなりそうですが頑張って書いていきますので引き続きご愛読頂けると嬉しいです。 (2019年8月2日 7時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
RULI - リクエスト、受け取って下さり、ありがとうございます、とても面白いです!流石だなと、おもいました!頑張って下さい! (2019年8月1日 20時) (レス) id: 8fa7ebfbfe (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - ハートさん» コメントありがとうございます。読者の皆さんの応援が励みになっています。これからもゆっくりかもしれませんが更新頑張っていきますのでよろしくお願いします! (2019年7月24日 18時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
ハート - 最新頑張ってください。応援しております (2019年7月24日 13時) (レス) id: f31ae08eec (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - ぱやさん» コメントありがとうございます。学生のため平日は忙しく中々更新が出来ないのですが主に土日や長期休みは頑張って更新したいと思っています。更新速度が遅いですが暖かく見守って応援して下さると嬉しいです! (2019年7月12日 22時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
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