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藤川「奏ちゃんのこと、お前ずっと自分のせいだって責めてたんだろ?」
藍沢「………」
藤川「自分のせいだ…自分のせいで奏ちゃんの人生を狂わせた…とか考えてたんじゃないのか?」
俺が話している間奏ちゃんの手術の事を思い出しているのか表情がこわばっている藍沢。
その目には今にも零れ落ちそうなくらいの涙が溜っているけど藍沢は泣きそうなのがばれないように必死我慢している。
泣きたい時くらい泣けばいいのに……
そう思っていると体が勝手に動いていて俺は藍沢をギュッと自分の方へ手繰り寄せた。
いきなり引っ張られたからか動揺している藍沢。
藍沢「…なんだ…」
藤川「……泣きたいなら泣いていいんだぞ」
そう言っても頑なに何も言わない藍沢。
泣くのを我慢しているのはもうめに見えている。
目にはたくさんの涙が溜っていて真っ赤。
この約10年でこんなに弱ってるような藍沢の姿を見たことはない。
きっとそれだけ奏ちゃんの手術の事で思い詰めてたんだ。
藤川「頑張ったよ…本当に…」
そう言いながらしばらく背中を擦っているとその背中は次第に震えだして藍沢は俺の肩に顔を埋めて小さく嗚咽を漏らしながら泣いていた。
藍沢「ッグ…ぅ…」
泣く度に震えている藍沢はいつもより何倍も小さく見えて今にも消えてしまいそうで俺は抱きしめる力を強めた。
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藍沢side
天野奏の後遺症の検査の結果を聞いてから安心すると共に体がいっきに重たくなりその場に倒れそうになってしまった。
そんな俺を藤川が支えてくれたことまでは覚えているがそれ以降はほとんど記憶にない。
なんで病室にいるのか藤川に一連の流れを聞いた。
俺が倒れると灰谷と名取が一緒に運んでくれたらしく本来俺がやるはずだった仕事も代わりに救命の奴がやってくれているらしい。
迷惑かけたな……
そう呟くと藤川は「辛かったな…」そう俺の心を見透かしたように呟いた。
天野奏のオペのこと、俺が誰かの人生を狂わせたんじゃないか…そう考えていたこと……
藤川はすべて見透かしてた。
藤川の言葉を聞く度に我慢していた何かが溢れてきて思わず泣きそうになるのを我慢する。
もう目には自分でもわかるくらい今にも零れ落ちそうなくらいの涙が溜っている。
泣かないように…泣かないように…
必死に我慢していると藤川に抱き寄せられて
「泣きたいなら泣いていいんだぞ」
そう言われた。
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明日香 - RULIさん» わかりました。コメントありがとうございます。なるべく希望に沿えるよう頑張って書かせていただきます。これからもよろしくお願いします! (2019年5月28日 21時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
RULI - 遅くなってすみません。雪村先生がいいです! (2019年5月25日 9時) (レス) id: 8fa7ebfbfe (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 愛美さん» 感想ありがとうございます!楽しんでいただけたなら嬉しいです。これからも更新頑張っていきますのでよろしくお願いします! (2019年5月19日 18時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
愛美 - リクエストした藍沢先生が甘えるお話を書いてくださりありがとうございます!!読みながら想像して悶えてました笑 これからも楽しみにしてます!! (2019年5月19日 16時) (レス) id: 9661795347 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - RULIさん» お返事ありがとうございます!黒田先生か白石先生ですね!頑張って書かせていただきます。誰かを庇うとのことでリクエストをいただいていたのですが、誰を庇うとか指定はありますか? (2019年5月18日 21時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
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