episode*49 ページ8
．
．
魔物を倒しまくる。私はレイン先輩やティザ先輩やシュリのために、魔物をすべて殺さなければいけないんだ。
異様な状況すぎて、なんだか頭が冴え渡る。どうやら混乱しすぎて逆に冷静になったようだ。
「オオオオオオン！！」
魔物のブラックドッグが襲いかかってきた。
…この魔物も、もとは人間だったのだろうか。
まあ、殺すんだけど、良心がチクリとする。
『迷ってたらだめ』
手のひらをブラックドッグに向ける。
『――�狎士挟�(セイヴァーサイクロン)�瓠�
風属性上級魔法・セイヴァーサイクロン。
極大化された竜巻で魔物全体を攻撃する。
魔力消費が多いせいか、一瞬めまいがした。
だがその破壊力は抜群。目の前のブラックドッグだけでなく、周囲の数十体の魔物を巻き添えにしていった。
竜巻が収束した後、高等部の制服を着た数十人の生徒たちが地面に倒れた。
やっぱり、ここにいる魔物はみんな、元・人間なんだ。
．
上級魔法を多用し、数百体いた魔物を全部殺した。
『ハア、ハア、ハア、ハア』
魔法を使いすぎて、全身力が入らない。
校庭に積み重なる生徒たちの遺体を、ただ呆然と見つめた。
死体の山の中で、空を見上げた。
空は、魔法の黒い膜に覆われている。
ふいに、黒い膜にヒビが入った。
バリ…バリ…
剥がれていく黒い膜。現れる青空。太陽の聖なる光が、青空から降り注いだ。
遺体が照らされて、まるで浄化してくれてるみたいだ。正直、返り血で汚れた私には、眩しすぎるな。
「終わったようだなァ」
どこかから、フラントの声が聞こえた。
あたりを見回すが、フラントがどこにいるのかは分からなかった。
「約束通り、この箱から出してやる。ま、レイン王子とティザ・ステラーは貰っていくけどなァ」
フラントのその言葉と同時に、剥がれかけていた膜がすべて霧散した。
『…待ってフラント！先輩たちを返して！』
どこかにいるはずのフラントに、大声で叫んだ。
「断る。全ては�爐△諒��瓩里缶仁瓩汽 �
『っそんな…』
「約束通り、ここからは出してやる…だが、早く生徒会室に戻ったほうが良いぜェ」
『…どうして？』
「シュリ・アルディアが魔物になりかけてるからなァ」
！やっぱり、シュリは感染してたんだ。
『行かなきゃ…』
せめてシュリだけでも、守りたい。
．
transfiguration____変貌→←episode*48
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 276人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オタク - すごくこの作品が大好きです！無理せず更新頑張ってください (2022年2月23日 9時) (
レス) @page13 id: 069b2b7513 (このIDを非表示/違反報告)
ふてんにぶおんぷ(プロフ) - え。やばい･･･これ、え、書店に売ってそうな話！売ってたら即買いますよお！？スッごく面白いです！続き楽しみにしてます (2018年3月7日 0時) (レス) id: 7ca422baae (このIDを非表示/違反報告)
雪 - いつも楽しませてもらってます！オリジナルなのにこんなおもしろい話を作ることができるなんてすごいです！更新待ってますがんばってください！ (2018年2月16日 23時) (レス) id: 42849da78e (このIDを非表示/違反報告)
大福餅 - この後更新する予定はあるんでしょうか…?あれば楽しみにしてます! (2018年1月12日 18時) (レス) id: 83ab233681 (このIDを非表示/違反報告)
桃華 - すごい面白くて次の話楽しみにしています 頑張って下さい (2017年10月31日 23時) (レス) id: 7db99bd8a5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：漆黒の羽 x他1人 | 作成日時：2016年11月29日 19時
