とある美少女は性悪でした。【烏野】

09 ページ9

長い長い部活もやーっと終わって、皆が帰り出した頃。

あの月島に「ねぇ」と声をかけられる。

さっきのこと少しは反省してくれたのかな？



「猫かぶるのやめてくれない？」

「えっ…私、そんなことしてないよ！これが、普通だし…
なんで、月島くんは私のこと疑うの？」

「…別に皆に言いふらすわけでもないし、僕の前では絶対そういうことしないで」



月島は不機嫌なまま、最悪な一言を残す。



「気持ち悪いんだよね、それ」

「…は？」



つい自分の裏側が出てしまい慌てて口元を抑える。

気持ち悪い？
なんで？皆に優しく接してるだけじゃん。

わざとだとしても、気持ち悪いってどういうことよ。



「何が気持ち悪いの？意味わかんないんだけど」

「あれ、結構簡単に本性出し始めたね」



ケタケタと笑う月島に、私は「やられた」と黙り込んでしまう。

こんなやつにハメられるとは。
つーか今までこんなこと無かったんだけど。



「その方がいいんじゃない？」

「…あ、そう」



私は冷たい目で月島を見つめると、「僕は帰るから」と去ってしまった。

なんなんだあいつ。
私をハメといて、なんであんなに笑ってるんだよ。




…まるで私みたいじゃねーか。

10→←08

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す