遅咲きの恋 (ページ14)

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スタッフさんからの連絡を聞いた後
楽屋に戻ると、いつもの雰囲気で。

翔くんを見ても、なんら変わりなかった。

さっきのは
一時的なことだったのかな？

「翔くん、もう大丈夫なの？」

「うん、ごめん。」

聞いてみても、先ほどまでの火照りはなくて
俺の気のせいだったのかと思うほど、普通だった。

好きな人の変化に気づく、とか
プレゼントをする、とか

アピール方法はいっぱいあるわけで

だけど、実践したところで
伝わる好意は僅か。

俺の仕方が悪いんだろうか。

笑顔で話して、プレゼントをして
少しの変化に気づいても

あまり翔くんの態度は、変わらない。

男同士だから？

俺が女の子だったら
翔くんは好きになるんだろうか。

なんて、どう足掻いても
越えられない壁にまでぶち当たって。

好きなだけなのに、な。

メンバーに、しかも男に恋をして
それが叶う可能性は限りなくゼロに近い。

そう思うと辛くなるのは、現実味があるからで。

「、うまくやれないもんかな。」

誰にも聞こえない
小さな声で吐き出す本音。

やりきれない想いと共に顔を上げると
ばちりと、翔くんと目があった。

え、なに。

でもそれは一瞬で、すぐさま逸らされて。

翔くんが俺を見てたという事実と
すぐに逸らされた現状が

入り混じって
苦しいのか嬉しいのか、分からなくなるほど

翔くんの一挙一動に振り回されている自身に
思わず笑ってしまった。

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