灰と赤、それから金【HQ】 (ページ7)

今日:9 hit、昨日:5 hit、合計:7,224 hit

灰崎くん遅刻だってよページ7

＊

　クラスの半分以上は集まってきているな。ギャラリーは興味津々そうに俺らを見つめている。すまんな、俺らの戦いは終わっちまった……。

「おう皆！初めましてのヤツと同小だったヤツといるな。俺は金城A！気軽にAって呼んでくれ！」

　遠巻きに見てたヤツらが近づいてくる。そして皆俺に自己紹介してくれた。うんうん、皆良いヤツらだな。俺はそんなヤツらがクラスメイトで嬉しいよ。

「ねえ、Aくん。もうトランプはやんないの？」

「おれもやりてー」

「ん？ああ、俺も皆とやりたいところだけどさ、そろそろ入学式の時間だろ？そのうち先生も来るだろうし今回は止めだな」

「そっか。残念」

「悪いな。まあどうせこれから毎日会うんだ。また休み時間とかにやろうぜ！」

「そうだね！」

　よーし、毎日ゲーム類持ってこよ。なんならロッカーに詰めて……いや、センコーにバレるとマズイな、やめよ。それに部活のヤツともやりてぇし、マイ・エナメルの底に詰めとこ。

　とかなんとか言っている間にもう先生が来たようだ。

「みなさんおはようございます！ってあれ、席に着いてない……」

　聞こえてるよ先生。たしかに入学してそうそう席につかずに集まってワイワイガヤガヤしてんのは稀だけども。

　仲良くするのはいいことだろ！

「え、えーと、みなさん席についてください」

　先生の言葉に名残惜しくも皆着席した。つっても俺はずっと自分の席にいたがな！ガハハ

「はい。では改めて……。みなさんおはようございます」

　おはよーございまーす。

「いいお返事ですね。それと、ご入学おめでとうございます。皆さん制服がとってもお似合いですよ」

　ありがとーございまーす。それマコちゃんと傑くんにも言われましたー。

「それで、えーと……あれ、一人足りない」

「せんせぇー」

「えっと、君は……」

「金城Aですせんせー。灰崎祥吾くんがまだ来てませぇーん」

　皆に自己紹介してもらったお陰か、俺には誰が来ていないのかすぐにわかる。

　てか灰崎遅刻かよ。不良だな。知ってた。

「灰崎くん、は遅刻、なのかな？」

「それはわかりませーん。ボク、灰崎くんとはまだ知り合ってないので」

　でもボク知ってる。灰崎くん遅刻です。どうせ入学式とか関係なくおねんねしてんダルルォ！？

＊