番犬くんのセンラさん

24 お勉強をしましょうね ページ24

.









「じゃあ、テストの解き直しからはじめましょーか。」






結局、センラに言いくるめられて実行されたお勉強会。屋敷(家)に帰り、机を挟み向かい合って床に座り勉強を始めた。





「あ、解けました？」

「何となく、、、あってる？」

「お、出来とる出来とる。」









「(それにしても、眼鏡！めっちゃ！かっこいい！)」






勉強を始めたはいいけれど、センラが眼鏡をつけだしたのだ。少し縁が細めの黒い眼鏡。制服のままだけれど、とても高校生には見えず、大人っぽさを引き立てていた。



やる気十分なのか、腕まくりをしていて、少し筋肉質な腕が見えている。下を向いてズレる眼鏡を直す仕草とか、教えてようと体を乗り出してこちらに寄る時に香るセンラの匂いとか、私の解答をチェックする時に伏せられる目とか、堪らなくすき。



ふと、学校で勉強会しなくてよかった、と思う。こんなの他の女の子が見たら皆惚れちゃうよね。







「おーい、佑月さん？」

「、、、あ、ごめん。」

「次の問題進みましょーか。」

「はーい。」







慌てて我に返り、勉強を進める。勉強会を開いた目的を思い出さねば。もう一度、シャーペンを強く握り直し、目の前の問題に取り掛かった。









「、、、、、、、、、ちょっと、そんなに見られてたらやりにくいんですけど、」

「え？センラの事は気にせずにどうぞ〜」

「だから、気になるの！」






黙々と問題を解く私を、センラはニコニコとしながらずっと見ている。肘をついて頭を支えながらずっと。暫くは視線を感じていても意識をしていなかったが、流石に気になる。






「ちょっとこっち見ないで、集中できない！」

「はぁーい、すみませーん。」




膨れた様子で、でも嬉しそうに確実に心にない謝罪を受けたが、まあいいか、と特に気にする
ことなく勉強に戻った。









「あ、もう休憩します？お菓子持ってきましょうか？」

「まだ早いって！それさっきも言った！」









ちょくちょく、私にそう言ってきて、すぐ私を甘やかそうとするセンラに苦労した....

25 手回し上手なヤツ→←23 安心するな、気をつけろ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す