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22 無理、かわいい、好き ページ22

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「もぉー、こんななるまでほっといて....怪我はすぐセンラに言ってって言いましたよね。」

「ごめん。」

「もう無茶せんといてください。今度医者に見てもらいましょね。」

「うん。」


センラに抱えられ連れてこられたのは保健室。入ると壁際の長椅子に座らされ、先生は不在な為センラが手当を始めた。






「ど、どうだった....?」

「え?」

「し、しあい」

「試合?」

「私のプレーどうだった!」

「_____あ、はい!凄かったですよ〜」





どうやら、私の怪我に夢中でろくに試合を見ていなかったぽい。センラの為にも頑張ったんだけどなぁ。センラに見て欲しかったのに。







「...でも最近佑月さんイキイキしてて、楽しそうで」




2人だけの保健室で暫く静寂が襲い、突然ポツリポツリと話し始めた。その顔はやっぱりさっきと同じで、拗ねたような寂しそうな、複雑な顔。




「嬉しい反面、センラが居なくても大丈夫になるんやろなって思うと寂しいです、」

「え、、」





これって期待してもいいの...?
ここでも彼への思いが顔を出して、その言葉をよい解釈にもっていってしまう。ドキドキと激しい鼓動が収まらない心臓の音が体に響く。







「さ、さみしい?そ、それはどういう...」

「これが親離れなんかなぁって、」

「.....」





長椅子に座る私の前でしゃがみ、俯いたままセンラはそう呟いた。

やっぱり、違うよね!!
だよねーそんなに簡単に思い通りになるわけないよねー。







親離れって言っても、離れたくても離れられないんだもん。



「親離れ?逆だよ。センラが私の味方でいてくれて、いつでも背中を押して応援してくれるから頑張れるの。」






彼の目を見て、そう言う。
いつだって私の世界の中心はセンラなんだから。





「よかった。」



彼は安心した様に息を吐いた後、床に座り込んだまま、腕を私の膝の上で組み頭を私の膝の上に乗せる。そして、ニコーと笑い嬉しそうにそう言った。





「(無理、かわいい!好き!)」






離れられられないこの気持ちは、今日も大きくなるばかりだ。

23 安心するな、気をつけろ→←21 最後の最後にファインプレー



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設定タグ:センラ , 浦島坂田船 , 歌い手
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あるじゃん(プロフ) - あいさん» あいさんご無沙汰いたしております。暖かいコメントありがとうございます、嬉しい限りです泣 長らくお待たせいたしましたが、今後ともよろしくお願いいたします!更新頑張ります。 (2021年4月11日 13時) (レス) id: 2f7ed6fc05 (このIDを非表示/違反報告)
あい - おかえりなさい!!これからも更新頑張ってください! (2021年4月10日 18時) (レス) id: dad9695123 (このIDを非表示/違反報告)
みね - 更新、頑張って下さい!めっちゃ楽しみです!!! (2020年7月30日 23時) (レス) id: 2329b8e021 (このIDを非表示/違反報告)
白瀬(プロフ) - コメント失礼します…!!私が昔から読んでいた少女漫画と内容がそっくりで、めちゃくちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年6月29日 7時) (レス) id: 29052aa6a9 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 本当ですか…?良かったです…文才足りんと悩んでいたので… (2020年5月13日 21時) (レス) id: b5c026bc9f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あるじゃん | 作成日時:2019年11月25日 0時

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