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見つめ合うこと、数秒。
可愛いじゃん。
磨けば光るタイプかな。
でも地味。素材を生かしきれてない。
「ぅわ！」
女が、叫んだ。
「どうも今晩は」
「へ？こ、こんばんは……？」
あたふた、って感じの相当な慌てよう。
「新人さん？」
「へ？へ？」
「俺はね、常連さん！」
大きな目を見開いたまま固まってる。
「……」
「君、後輩。俺先輩」
「な、何が」
「大事なことだからよく聞いてね。ここね、俺の席なの」
「違います」
テンチョーが、ちょっと怖い顔で俺を見おろしてる。
「テンチョー！怒ると美人が台無しだよ！」
俺がそういったら、テンチョー宛に電話がかかってきたみたいで、くるんと振り返った。
「智君、あとお願い」
「……へ？」
店員智が俺を見下ろして、へへえって笑った。
「いいじゃん、いっしょに、座ったら」
「人が隣に居たらおちつかないよ！」
「いいですよ？」
そういった女は、そのまま、目の前の席に移動した。
「違うテーブルに行けや！」
思わず大声が出た。
「え？」
「え？じゃねーわ！え？ええ？恋人同士みたいに向かい合わせに座ってアナタ平気なの？」
「はい、今別に彼氏いませんし」
「そういう問題じゃなくてね、ここはおれのテリトリーなの、わかる？聞けや！」
「じゃ、あとは若いふたりで」
そういって、使えない店員智がキランって八重歯見せて、厨房に戻った。
「珈琲おかわり！」
「私もおかわりお願いします！」
むむむむ。
退かないつもりだな、こいつ。
じゃあ言葉のセクハラでどこかに移動してもらおう。
「ね、彼氏いないの？」
「あ、本読みたいので静かにしてもらっていいですか？」
そいつは、いきなりまた本を読み始めた。うそだ。誰か嘘だと言って。
「何読んでるの？推理小説？」
「今はコノ人に嵌まってます。鬼塚莉那」
「まったクッソつまんねーヤツ読みやがって」
「ご存知なんですか？」
あーあー、知ってますよ、すっげ知ってます。
あなたの目の前に座ってる人がその張本人ですからね！
なんてことは、言いませんけどね！
「大好きなんです。この人の恋愛観」
女が、ふふって笑った。
「どこが」
こんなとこでファンに会うとは思わなかったからついついね。魔が差した。
「世の中を斜に眺めてひねくれてるのに、根底に、この世の中に深い深い愛情を感じます」
「は？それは深読みしすぎだよね」
「好きなんですか？私最近知って、片っ端から読んでるんです……この人の選ぶ言葉が大好きで！」
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璃桜(プロフ) - 初めて読ませて頂いた作者の方もいて色んな作風が読めて楽しかったです。ゆったりとした雰囲気が儚くちょっと切なく感じました。またコラボの企画があったら読みたいと思いました！これからも応援しています！ (2016年12月12日 21時) (
レス) id: 18ebc3f5e6 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - reiさんのお話、ぐっときてしまいました。やっと自分の気持ちに気がついたのにすれ違いでもぅ会うコトもままならないなんて。後悔をして愛を知るなんて。悲し過ぎる。甘いお話も好きですがたまに涙して毒気を抜いてます。これからも楽しみにしています！ (2015年9月23日 14時) (レス) id: cc888f66ce (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - つむさんのお話大好きです。泣けてしまいました。また素敵なお話読むの楽しみにしてます！ (2015年9月23日 13時) (レス) id: cc888f66ce (このIDを非表示/違反報告)
かしゆか(プロフ) - この作品面白かったです！ところでつむさんに質問なんですけどパスワード解除したりはしないんですか？ぜひつむさんの作品を見たいのですが･･･ (2015年9月15日 0時) (レス) id: a67ea852ce (このIDを非表示/違反報告)
Ame(プロフ) - 5人の作者様のお話がそれぞれ重なりあってて、すごくおもしろかったです。感動しましたし、お腹いっぱいになりました。また是非このような企画があることを楽しみに待ってます！ (2015年4月23日 0時) (レス) id: 8bdb99006e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tomyummy
x他3人 | 作者ホームページ：
作成日時：2015年4月2日 23時
