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皆に家案内をして貰った日.1 ページ23

うっすらと、瞼が持ち上がる。

そっか、朝か。

時計を見ると6時。
長い長い、孤児院生活のお陰で
早寝早起きが身についた私。

土曜日だと言うのにこの時間。


体を起こし、何回か部屋をまちがえながらも
リビングへ到達した。

ダメだこりゃぁ……。

うだうだしながらも、ドアノブを回せば、
キッチンに立つツンデレ兄妹……
基、光貴お兄ちゃんとハルお姉ちゃんが居た。

口が滑った。殺されそう(主に兄に)。

2人ともoffの格好。
緩いスカートやダボッとしたパーカーが
中々様になっていた。


「お早う。」


「…はよ。」


2人ともに声をかけられ、それぞれに返事をする。


「何作ってるんですか……?」


「見てわからねぇかよ。朝食だ。」


言ってることは怖いのに料理とか……
巷で噂のぎゃっぷもえって奴ですか。

すんごい器用に包丁で野菜の皮を向いている。

使い慣れた愛用の刃物で……?
なわけないか。


「A、食べれないものとかある?」


ほぼ初めてハルお姉ちゃんに
話し掛けられた気がする。


「んー、特にないかなぁ。」


頬が分かりやすく緩んだ私。
気色悪ぃ、とか吐き捨てられた気が
したけどまあいいや。

ソファに腰をかけ、ニュースを見る。

いや、正確に言えばニュースの流れている
テレビの画面を見てるのかな。

目線を置いておくだけというか。

朝の幸せな余韻に浸ってみて、
また頬が緩んだ。

7時前朝食が作り終わったようで。


テーブルに視線を移してみれば
いい匂いのするパンと
ハムエッグ、サラダ、などなど
本当に美味しそうな料理が見えた。


「毎日2人がご飯作るの?」


「な訳あるかよ。」


「何時も私が作ってる。」


「大変じゃないの?」


「……慣れた。」


2人に挟まれソファに腰をかける。

うっわぁ、変な光景。


お兄ちゃんのいる左側からは
邪魔だ、退け感あふれる視線が。
お姉ちゃんのいる右側からは
気配1つさえしない。

空気に馴染めてきた頃、かな。

ドアが開いて御子お姉ちゃんが入って来た。


「もう〜、起こしてって言ったじゃん……。」


「起きたくないって言った。」


「むむ……。」


長女と次女逆転してるな。コレ。

最早次女がお母さんじゃん。


涼しい顔のハルお姉ちゃんを見て、
薬と微笑んだ私であった。

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作品ジャンル:ラブコメ, オリジナル作品
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作成日時:2020年11月7日 8時

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