【約ネバ】抗え。この世界の運命に。2 (ページ14)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:6,028 hit

第63話馬鹿ページ14

A｢着替えた？じゃあ次、そこ座って。エマ、お願いね。｣

レイ｢…いや…でも…A…俺は…｣

ｽﾊﾟｧﾝ

私は、レイの頬を思い切り叩いた。

A｢馬鹿レイ!!まだ死ぬつもりなの!?つべこべ言わずに逃げるの!!｣

レイとエマは、びっくりしていた。

トーマ･ラニオン｢エマー、Aー、こっちできた！｣

トーマとラニが、準備してくれたものを見て、レイははてなマークを浮かべた。

レイ｢これは？｣

ラニオン｢レイの代わり。
何もないよりはごまかせるってノーマンが。｣

トーマ｢それっぽい臭いをつくるんだ。あとは髪だけなんだけど…｣

A｢…エマ、メス貸して。｣

エマ｢いいけど、何するの？｣

私はエマに笑いかけて、自分の髪を切った。

エマ･レイ･トーマ･ラニオン｢!!｣

エマ｢ちょっ！何やってんの!?｣

A｢これで揃った。トーマ、ラニ、これ使って。｣

私は、トーマとラニに、自分の髪を渡した。

エマ｢A…｣

A｢エマ、後はお願い。｣

私は、エマを真っ直ぐ見た。

エマ｢うん。｣

私とレイは、エマに発信器を取り出してもらい、トーマ、ラニと共にハウスを出た。

────────────────

お兄ちゃんが出荷された夜、私は一晩中泣き続けた。

お兄ちゃんがいなくなって、私は生きる気力をなくした。

何も食べたくない。

何もしたくない。

私は、部屋から一歩も出なかった。

いつもみたいに、お兄ちゃんのカーディガンを抱きしめて、ベッドの上で蹲る。

お兄ちゃんの匂い、お兄ちゃんの温もり、すぐ傍にお兄ちゃんがいる気がする。

ノーマン『A。』

ほら、今も私の隣で笑っているような──

──そんなわけない。

お兄ちゃんはもういない。

私の隣にも、ハウスの中にも、この世界のどこにも。

A『お兄ちゃん…私もお兄ちゃんの所に行きたい…』

私は涙を流して、カーディガンに顔を埋めた。

A『？』

すると、ふとポケットに何かが入っているのに気づき、私はポケットに手を入れた。

出てきたのは、お兄ちゃんからの手紙だった。