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いつの間にかエマがジタバタしていて、レイはノーマンを連れてどこかへ行ってしまった。
たぶん、ハウスから逃げる方法を話していたんだと思う。
エ「…アイ、大丈夫?」
『っ!』
エマに話しかけられてハッとする。
…何をしているんだ私は。
助けるなんて言ったくせに、頼ってほしいとか思ってたくせに。
それなのに…
エ「ごめん、やっぱり信じられないよね」
『…違う』
エ「え?」
『違うの。
ハウスのことを大事に思ってる2人がそんな嘘つくはずないって、わかってる。
っでも、信じたくないよ……!』
エ「アイ…」
震える声で話す私を、エマは抱きしめてくれた。
堪えていたはずの涙は、途端に止めどなく溢れる。
あぁ、どうしてこんなに情けないんだろう。
『優しいママは全部嘘だったの?
私たちのこと、食料としか思ってなかったの…?
……わ、私、今までママの何を見てたんだろう』
こんなこと言ってエマを困らせるだけなのに。
私なんかよりもエマのほうが辛いはずなのに。
『ごめんエマ、私もレイみたいにならなきゃいけないのに。
…完全に2人の足を引っ張ってる』
エ「そんなわけない」
エマの手が私の背中を優しく撫でる。
エ「…逃げよう、家族みんなで。
この世界を変えよう?」
頷くことしかできなかったけど、エマはちゃんと分かってくれていた。
年上の兄弟に抱きしめられるなんていつぶりだろう。
『(…あったかい)』
いつの間にか涙も止まっていた。
久しぶりに妹に戻れた気がした。
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aya(プロフ) - 亮さん» ありがとうございます!普段かっこいいのにこういう可愛いとこ見せられるとやばいですよね!! (2019年3月11日 13時) (レス) id: 6d4173b257 (このIDを非表示/違反報告)
亮(プロフ) - 最新話読みました!からかったのに不意打ち食らってるレイ可愛すぎる(*゜д゜*) (2019年3月10日 14時) (レス) id: 484601c75e (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 亮さん» めちゃくちゃ分かります( ˙-˙ )ほんとレイってズルいですよね(笑)更新不定期ですが、これからもよろしくお願いします! (2019年2月24日 20時) (レス) id: b747948d14 (このIDを非表示/違反報告)
亮(プロフ) - 意地悪なのにいざというときにあんな行動するレイが反則すぎます(((*゚д゚*)))10歳組唯一の夢主ちゃんが今後どう動いていくか楽しみです!! (2019年2月23日 5時) (レス) id: 484601c75e (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 星雲さん» こんなこと言われたら兄弟でも惚れますよね(笑)コメントありがとうございます、更新頑張ります! (2019年2月4日 19時) (レス) id: b747948d14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aya | 作成日時:2018年12月30日 22時