004 『少女』 ページ6
……セミの鳴き声がする、木々が風に揺られて擦れる音がする、…子供？ の声がする。
…あれ？ 私何してたんだろう？ 朝学校に行って夜久さんが転校するって聞いて…そうか、もう会えないんだね……で、初めての『失恋』に耐えれずに授業サボって裏山を登って、歩いてたら地面が……
！？ あの時私は崖から落ちた、だとしたらここは崖の下？ そこまで高くなかったのかな？ それとも落ち葉にでも落ちたのだろうか？ にしたらここは硬いし平らすぎる…ん？ 平ら？ 自然界にそんな場所はそうそう……
ふとひとつの予想をした私は飛び起きる、そしてその予想は当たっていた。
「ああ、起きたのね。いきなりで悪いけど今の状況わかる？」
起きて周りを見渡すとそこは岩場でも森でもなく質素な和室だった。全く状況が掴めないでいると神社の巫女さんの服…確か巫女装束だっけ？ そんな雰囲気の服を着た女の子が話しかけてきた。
一瞬…というより今も不審に思っているがこうして布団に寝かされている辺り悪い人ではないだろう、ちなみにいま布団を掛けられている事に気づいた、毎日布団で寝ていると感覚が麻痺するのかな。
それに相手は武器も何も持たない少女、捕まえるつもりならせめて男を見張りにするだろう。
とりあえず今はいくらでも湧き出てくる疑問を一旦しまい、少女の質問に答える事にしよう。
「…分かんないです、崖から落ちたと思ってたんですが…あ、わざとじゃないですよ」
勘違いされたら困るので一応わざとじゃないと言っておく、この付け足しがないと病んでるようにしか聞こえない。
答えたあとに少女の様子を伺う、するとため息を吐いたあと「じゃあ……」と更に質問してきた。
「『幻想郷』ってわかるかしら？」
聞きなれない言葉、『幻想郷』、全く聞き覚えがなかったので憶測で答える。
「何かの神話の世界か何かですか？」
私がそう答えると少女は大きなため息をしてめんどくさそうな顔をして私に言った。
「ここは幻想郷、人と魑魅魍魎の住まう最後の楽園よ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 17人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
阿須波(プロフ) - 雪猫さん» うぐ……言うてくれるな (2016年11月25日 18時) (
レス) id: b6c158c874 (このIDを非表示/違反報告)
雪猫(プロフ) - 阿須波さん» だねw誤字脱字無くなったと思ってたのにw (2016年11月25日 17時) (レス) id: 4502338fd1 (このIDを非表示/違反報告)
阿須波(プロフ) - 雪猫さん» ぽっちゃりみたいになってしまった(笑) (2016年11月25日 17時) (レス) id: b6c158c874 (このIDを非表示/違反報告)
雪猫(プロフ) - 阿須波さん» ぽったりになってるよー←ぴったりの間違いでは？ (2016年11月25日 17時) (レス) id: 4502338fd1 (このIDを非表示/違反報告)
阿須波(プロフ) - レモンジュースさん» いやー僕の名前実在の神様の名前を元にしてるんだけどこのストーリーにぴったりだったからｗ ちなみに足場と旅立ちの神様で宮中の守護神、夜久さんにぽったりでしょ？ｗ (2016年11月25日 17時) (レス) id: b6c158c874 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
