【東方＆ハイキュー】 猫の守護神と人間の幻想入り

018　『約束』 ページ20

渋々納得した俺に神と名乗るこいつは俺の疑問について一つ一つ答えた。

　一つ目、俺はもう死んだ。勿論驚いたしそれ以上に悲しくなった。覚悟していたとはいえもうアイツらに、家族に会えないのだと考えると涙が止まらなかった。

　しかしここで新たに一つ疑問が生まれた、なぜ俺はこうして普通に話をして存在しているのだろうか。医療機器も消えて病気の症状は一切感じられない。

　この問いも丁寧に答えてくれた。そしてこの答えは今の俺が最も望んだ言葉を含んでいた。



　「お前はもう死んだ、でも消滅してはいない。理由は簡単、俺がお前の魂をここに束縛······
　 つまり留めているから、勿論理由なしに留めてはいないよ、約束だからね」



　ここまでは俺がここにいる経緯の答えだった、理解できないものもあるがそれは今説明されても理解できないだろう、そしてこの後の答えが俺の望んだものだった。



　「お前がここに留められている理由はただ一つ、再び日常を取り戻させる為だ」



　『日常』、確かにこいつはそう言った。

　『日常』、それは俺がこの一ヶ月間望んで止まなかったもの、人生のなかで最も望み、最後に失われたもの。それを取り戻すとこいつは言った。



　『でも一回死んだんだから人間として蘇らす事は出来ない』



　だったらどうやって取り戻すと言うのだろうか、幽霊にでもなれと言うのだろうか。



　「かといって幽霊にするわけにはいかない、だから俺『達』は最善策を考えた」



　そう、これが全ての始まりだったのだ、幻想と人の入り交じる物語の······

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