016 『旅立ち』 ページ18
……乾いた風が吹いている…
さっきまでのように涼しく調整された部屋とは違うということが分かる
きっと母さん達が心配してるだろう、声をかけないと……最後の言葉になるかもしれないけど…
…………??
可笑しい、口に付けられた呼吸器や全身に付けられたチューブの感覚がしない、それに布団の感覚も明らかに違う。どちらかというとベッドというより敷布団だ。
明らかに今までとは環境の違う感覚に俺は反射的に起きてしまう、起きた瞬間次に来るであろう激痛の存在に気づいたが、激痛が訪れることはなかった。
しかし次の瞬間得られたものは歓喜でなく『驚愕』だった。
「………え?」
歳に似合わず間抜けた声を出してしまう、だがそれも仕方なかったであろう。
何せ、ホントに全く違う部屋に居たのだ。
病室を移動させられたんだったり助かる見込みがないから家に帰されたりしたんだったらまだわかる、なんせ俺はもう末期、徐々に体が衰弱していっている上に病気は名前さえ分からない始末、このままだったら長く生きれて今月いっぱいだろう、とも言われた。
最後の思い出も学校に知られたくないからってわざわざ無理言って転校させてもらってクラスメイトにさえ挨拶もしてないのだ。
部活も同じ、自己評価が高すぎるのかもしれないけど俺が病気だって、もう生きれないって、……『もうバレーできない』って、知られて悲しまれたくなかったからあんな心にもないことを言って、何も伝えずに転校してしまった。
今思えば逆効果だったかもしれない、あんなことを言ったらチームの空気が悪くなるのも必然だし何も言わずにチームメイトが転校したのだ、空気は最悪だろう。
しかし今の俺にもう一度言い直しに行く気力はない、…否、肉体的に不可能なのだ。もはや俺の体は歩くことすらままならない、昨日までは歩けていたのに、病気は俺の体を勝手に蝕む上に宣告さえしてくれないのだ。
しかしその病気が消えた。いや、消えたのかどうかは分からない。
しかし病気に関連するもの、症状までもが全て消えたのだ。
まぁそんなことはどうでもいい、今問題なのは目の前の光景だ。
障子に畳、敷布団に木の天井、これだけ見れば只の和室だろう。まぁそれでも充分混乱するのだが
問題なのは目の前にある『もの』だ、白い陶器に装飾された土台に乗った鏡、そして御札、それは昔七五三の時に見た神社を連想させた。
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阿須波(プロフ) - 雪猫さん» うぐ……言うてくれるな (2016年11月25日 18時) (
レス) id: b6c158c874 (このIDを非表示/違反報告)
雪猫(プロフ) - 阿須波さん» だねw誤字脱字無くなったと思ってたのにw (2016年11月25日 17時) (レス) id: 4502338fd1 (このIDを非表示/違反報告)
阿須波(プロフ) - 雪猫さん» ぽっちゃりみたいになってしまった(笑) (2016年11月25日 17時) (レス) id: b6c158c874 (このIDを非表示/違反報告)
雪猫(プロフ) - 阿須波さん» ぽったりになってるよー←ぴったりの間違いでは？ (2016年11月25日 17時) (レス) id: 4502338fd1 (このIDを非表示/違反報告)
阿須波(プロフ) - レモンジュースさん» いやー僕の名前実在の神様の名前を元にしてるんだけどこのストーリーにぴったりだったからｗ ちなみに足場と旅立ちの神様で宮中の守護神、夜久さんにぽったりでしょ？ｗ (2016年11月25日 17時) (レス) id: b6c158c874 (このIDを非表示/違反報告)
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