シンパシー ページ35
一松さんって物静かな方だとおもってたけど、すごく親切なんだなー…。
隣を歩く彼をそっと盗み見てそんなことを思う。
わたし自体あんまりお喋りじゃないので、少し落ち着くなー、なんて。
荷物を受け取ると、一松さんはもう帰ろうとしていた。こんなぶっきらぼうなところも落ち着くように感じる。
『あの、一松さん!』
「……なに」
『わたしの部屋、7号室です。ついでだから教えておきますね!』
彼は表情すら変えないものの、わたしの言葉が何らかの影響を与えたようだ。一松さんがこちらに歩いてくる。
なんか変なこと言ったかな…
「あのさ」
『なんですか?』
「おれがあいつらと違って何もしてないから、油断するんだろうけどさ…」
じとっとした目でこちらを真っ直ぐに向かれたじろぐ。
「男にそんな簡単に部屋教えないほうがいいよ……」
『!?』
そう言われて自分が行った行為がどう取れるかに気づく。彼は面倒臭そうに頭を掻いて、背中を向けた。
「…じゃーね」
『あ、でも違うんですよ!油断とかじゃなくて…』
どうしよう、これは彼の忠告を無下にしてるんだろうか…
『一松さんなら、優しくて、落ち着くから…』
でも、わたしはそう思ったんだ……
『……その、変な意味じゃないです…』
顔が熱い。また変なことを言ってしまった…。
一松side
言わなくても良いのに、この女の男への、いや人への警戒心の無さに不安になった。
ほんと、今日のおれは変だ…
嫌なやつって思われたかな、まあいい…。
帰ろうとした時に、夜道の彼女の声がこちらへと届いた。
『あ、でも違うんですよ!油断とかじゃなくて…』
単純なものだ。その声がすると足が止まる。
『一松さんなら、優しくて、落ち着くから…』
今、なんて…?Aは他にもぼそぼそと言っていたけど、耳に入らない。
「ねえ」
『な、何でしょう…』
彼女は頬を染めたままこちらを不安げに見る。そういう顔も、他に見せてんの…
「そういうこと、もうおれ以外に言うなよ」
『え、え?』
「勘違いする…」
今日は喋りすぎだほんと………!
でも、あと一言。
「あとさ、眼鏡取ったほうが可愛い。」
…そのままの君がいいと思った。
「眼鏡つけてても可愛いけど…。」
……綺麗だとも思ったんだ。
「………そんだけ。」
本当に、それだけ。
「じゃあね。」
きっと、他意は無いはずだ。道を戻っていく。
…今彼女はどんな顔をしているんだろう。
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作者名:なえ | 作成日時:2016年8月13日 13時