早い方がいい ページ12
わたしの言葉が終らないうちに十四松さんにガバッと担がれた…。
というよりお姫様抱っこ!?
そしてまた叫び終わらぬ内に十四松さんは走り出した。怖い怖い怖い!!落ちる!!!
『ちょ、ちょっと待って下さい!!わたし歩けますよ!?重たいですし、危ないです!!』
「んー、でもさ!Aちゃん、あんま運動できないでしょ。Aちゃん、それに軽いよ!!こっちのが早い!!!」
完璧に論破された……。それに降りるすべはない!
『速すぎますってーーーー!!!!!』
街をお姫様抱っこの2人組が通る。これだけだと惚気けたような平和な雰囲気すらあるが、実際は道のど真ん中を信じられない速さで2人組が走り抜けていく。しかも抱えられた彼女の恐怖に歪んだ顔に対して彼は真反対な笑顔。小柄とはいえ成人女性を抱き抱えているダッシュには思えない。つまり阿鼻叫喚な雰囲気しかない。
「Aちゃん!!着いたよ!!!!」
『あ、ありがとうございます…!』
まさしく目的地のアパートに着いた。十四松さんに下ろされると、身体がふわふわとして足を地面に下ろすのもままならない。
十四松さんのおかげで、3時間は早く着きました……。もうのりたくないです…。単純に怖い!速い!それに恥ずかしい……でもすっごく助かっちゃった。親切な優しい人なんだな…。
『十四松さん、良かったらお礼にお茶でも…ってあれ?』
せめてものお礼をしようとすると彼の姿が見当たらない。周りを見渡すと、十四松さんは既にアパートの向こう側へとバットを振りながら突き進んでいた。
自由な人だな…!
『十四松さーーーん!ありがとうございましたーーー!』
出来るだけ大きな声を出し手を振ると十四松さんはぶんぶんと手を振り返してくれた。
黄色い野球服が良く似合う彼は小さくなっていく。
彼が見えなくなってからアパートをみる。うん、前のアパートと大差ないね…。色んなことがあったな。今日は早めに寝て…。
わたしは一日の予定を組み立てながら、大家さんの部屋へと向かった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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作者名:なえ | 作成日時:2016年8月13日 13時