黄耆の過去 ページ35
「狂った狂人」
「死んで仕舞えばいいのに。あんな厄病神」
もう慣れてしまった暴言
狂っているのは明るくしようと決めたから
明るくしないと涙が流れる
僕は厄病神なの？
悲しいな
いや、そんな感情も昔自分自身で消してしまった
「お前なんかに用はないんだよ！」
やめて
「消えろよ！この厄病神が！！」
消えたくない
「お前なんか生きてる意味なんてないんだよ！」
殴らないで
「もういっそ死んだらどうだ？」
死にたくない
死なせたくない
だから、僕が暴走する前に
早く、い、って…
その日、一つ村が滅びた
この村が潰れても、僕は何も感じない
ひたすら歩いた
ずっと、ずっと、ずっと
どんどん、どんどん、どんどん
すると僕の髪に水が落ちる
雨…
もういっそ、この雨に流されて溶かされて仕舞えば…
この世に存在さえなかったことにして仕舞えば…
僕はこんなに悲しんだだろうか？
人はなぜ僕を嫌う？
能力者だから？
狂人だから？
どっちにしろ、一人で死ぬしかないじゃないか
そんなの、ヤダ
悲しいよ…助けて
「…あ、あの、能力者さん？」
「！？」
誰？黒髪で、綺麗な透き通る深い紫の瞳
「能力者さんじゃダメか。私もだもんね、お名前は？」
「黄…耆…」
明るく笑うその人は、僕みたいに作り物の笑顔じゃなくて、本当に心の底から笑っていた
「うち、こない？私はA。よろしくね、黄耆君」
「おーい、Aー！行くぞ」
その女の子の後ろに黒い髪に赤い瞳の男の子が見えた
なぜか背中に青色が混じった白い髪の女の子をおぶさっている
「待って、赫。黄耆君も連れて帰ろう！」
「おう、ぎ？」
そのあとに、あぁ、と呟く
「行くぞ。よろしくな。黄耆！俺は赫」
「よろしくお願いします…」
僕が生まれたのはその日
「黄耆！あっちに綺麗な川があった！」
「そうなの！？行こうAちゃん！！」
まだ、狂人になって自分を隠す癖が抜けない
それが僕の悲しいところ
- 金 運: ★☆☆☆☆
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松々先輩(プロフ) - 青い薔薇さん» ありがとうございます！！初の小説なので嬉しいです！ (2019年6月23日 19時) (
レス) id: 87a69031e6 (このIDを非表示/違反報告)
青い薔薇 - おもろい��(ﾟДﾟ)やべえ (2019年6月23日 18時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
縷々 - 面白いよ！頑張って！ (2016年11月25日 0時) (レス) id: 884552bd5f (このIDを非表示/違反報告)
Dahlia(プロフ) - 面白いよ！ (2016年11月18日 22時) (レス) id: 688c509492 (このIDを非表示/違反報告)
★ほしおんぷ☆ - 頑張って！ (2016年11月18日 8時) (レス) id: eadbc77912 (このIDを非表示/違反報告)
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