終わらない物語 (ページ33)

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葵の過去ページ33

【あいつを怒らせると村が水害に襲われる】

私についたタグ

取ろうと思っても、取れなかった

友達が欲しいな
生まれてこのかた、友達なんていたことがない

昔、お父さんから聞いた「友達」

何があっても信じられて
どんなことをしても許し合えて
命を投げ出してでも助けたいと思う

そんな人に、私は出会ったことがない

いつか、出会いたい
でも、私は能力者なんだ

能力者は報われない

もうすでに、友達なんか、仲間なんか、信じられる人なんか、いらないとも思えていた
そんな自分にも嫌気がさして、生きることを諦めていた

そして私は村から逃げ出した
そして森で力尽きた

私はここで終わってしまうの？

…それも悪くない

こんなに、人を信じられない私なんか
自分を信じられない私なんか
死んだって誰も悲しまない

私の頬をポツッと水滴が落ちてきた

雨だ

雨だけが私の味方
雨だけが私を信じてくれる

このまま息絶えてしまおう

誰も私を知らないまま
＿＿＿＿＿＿＿＿＿それなら誰も悲しまない

そこで私の意識が飛んだ
いや、飛ばした

「ん…？」
？冷たい

額に乗っていたのは…布？
誰が…？

「あ！起きた！赫ー！やっぱり生きてたし！」
「死んでたら拾ってこねぇよ。俺は。お前はどうかしらねぇが」
「私だってそうだし」
え、と、誰？

「あ、あのー…」

「あ！ごめんね！私はA！こっちの馬鹿は赫！あなたは？」
「俺は少なくともお前よりかは賢い自信はあるぞ」
「黙って赫」

仲、いいのかな？これが友達？
羨ましい…

「私は葵って言います…ちなみに、能力者なんですけど…嫌だったらすぐ出て行くんで…」
「え？出て行けなんて言わないよ？」
え？
「私だって能力者だし！」
「俺も、能力者だ」

私には、そう言ってから、ニコッと笑う二人が天使に見えた

普通は能力者は村で迫害を受けて、人間不信になっているはずなのに、この二人はそんな素振りは全く見せない

「そんな怯えた顔しなくっても、この村の人は優しいよ？」
黒髪の美人の方が私の心を読んだかのように言う
「ま、俺もこの村に来る前は人間なんか信じられなかったけど、この村に来てから、信じてみたくなったし？」
男の子の方も、腕を組みながら笑う
この二人は優しいな

この村にとどまることにした私は、ある日森の中に元の私の村の村人がいるのを見た
この村を襲おうとしてる？そう思った私は、その夜その人達のところに行った

＿＿＿＿＿＿＿＿＿

字数やばいので次行きます