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「…最近の、話なんだが………A、という頭のとち狂った女をしっているか？｣
『総統室破壊決定』
「…そのA、という奴なんだがな…中々に警戒心が強く触らせてくれないんだ。
…………この通り、な。｣
『手ぇ出るぞ』
私の顔に伸びてくる手を後ろに退けて回避すると、眉尻を下げ困ったようにわらう総統様。
一国の頭がそんな顔すんな。
「と、言うのは冗談で。」
『だろうな』
「最近、ある噂を耳にしてな。｣
『噂？』
「20代半ばの女が、突然城内に現れた、というなんとも信憑性の薄い内容なんだがな。」
『…………私と似てますね。』
「そうなんだ、お前によく似ている。
容姿も、性格も、何もかもが一致していた。」
『……まさかドッペルゲンガー？？？』
「この話やめてやろうか」
『うっそでーーーーす』
1つ、嫌な予感。
「それで気になってな。」
『はぁ』
「少々探りを入れてみたんだ。」
『…総統様。』
「……なんだ？」
『………………今日、ピアスしてないんですね。』
「……」
言葉を遮ると黙り込んだ総統様に、予感が確信へと変わる。
総統様がいつも手放すこと無く付けている、と聞いたピアス。
マメな彼が、付け忘れることだなんて事はないだろう。
だとすれば、普通に失くしたのか、それとも。
悪寒が背中を駆け巡った。
「………ピアス、か。あの男はいつもピアスをしているのか。」
『………あら、割とあっさり認めちゃうんですね。』
「別に隠す気は無かったからな。今更隠しても意味が無いだろう。」
『……それと…彼は…………貴方みたいに間抜けな喋り方をしないので。』
「…アイツと一緒にされる方が勘弁だ。」
『………………で、今日はなんの御用で？それも私に。』
大きく見開かれた目を見やると、酷く汚れ濁っていた。
穢らわしい。
よく見れば髪色も若干色褪せており、染めてあるものだとわかった。
ちゃんと染めろ。
「なぁに、そんなに難しい事じゃない。
ウチに来ないか？Aさん｣
『いやあの、』
「俺にあまり手荒な真似をさせないでくれ、素直に着いてきてくれれば誰も傷つかない、平和的解決だ。」
『私が嫌なんですけど』
「……尊い命が犠牲になっても嫌というか？」
『はい』
「え」
『え？』
くそみたいな提案にくそみたいな答え方したら空気悪くなりました。
【次回予告】
A、三輪車に乗って逃走。
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霧人 - めっちゃ満たされました。くそオモロかったです更新頑張ってくださいですおすし (2022年7月22日 23時) (
レス) id: 07b1c47183 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 面白かったです！ (2022年2月3日 6時) (レス) @page39 id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
ニヒツ - リズム感のあるボケとツッコミ好き！笑いすぎて四肢爆散しました() (2021年12月5日 20時) (レス) @page30 id: 32127d00d4 (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - 久しぶりにクソ笑ったわ！www 作者様天才では案件についてそこんところどうでしょう更新してくれさい (2021年10月24日 18時) (レス) @page39 id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
神無月*楓さん過激ファン(プロフ) - あ、新作いってきます(´>ڡ∂`) (2021年10月10日 23時) (レス) @page39 id: 804ec0cc68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶏肉 | 作成日時：2020年6月6日 16時
