菊池家のお手伝いさん (ページ11)

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俺は突然現れたお前が苦手だった。

この家には俺と親父しかいない。

お手伝いのばーやを筆頭に使用人とかは何人もいるけど家族は俺と親父だけ。

母さんは俺を産んでから寝たきりだ。

そんな俺の家に同い年の家族だとゆう女が転がり込んできた。

それがA。

Aはすぐに親父や使用人達と仲良くしてたけど、俺はなんとなく苦手だった

今思えば俺がめっちゃ子供だったんだけど。

どんだけ無視しても、邸内で俺に会うたび笑顔で挨拶してくるA。

こいつどんなメンタルしてるんだ？と思いながらも俺は意地を張っていたんだ。

きっとお前の事が羨ましかったんだと思う。

いつも明るくて真っ直ぐなお前の事が。

ひねくれ者の俺とは正反対のお前の事が。

あの頃の俺は幼すぎて、君の事をたくさん傷つけていたかもしれない。

そんなある日、Aは俺のお手伝いさんになると言ってきた。

今ならわかる。それが君なりの誠意だったんだと。

いつも突然すぎるAに俺は振りまわされてばかりで。

気づけば君は同じ学校に通っていて

あれだけ苦手だった君のペースに俺はすっかり巻き込まれていて。

この時から気づいていたのかもしれない。

俺の日常が少しずつ変わりはじめていた事に。

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