ヤキモチ彼氏くんたちの話。2 ｰ短編集ｰ

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ご飯を食べていたのに
思わず映像に見入ってしまう
あ〜この曲も良かったな
このカメラのアングルとか本当に最高

見ているとだんだんとテンションが
上がってきて、流れている曲を口ずさんだ

いつの間にか電話は終わっていて
お箸を持ち上げて、口にご飯を運びながら
彼が話しかけてきた







壱「Aほんまこの歌好きな」


「うん！元気出る」









映像に夢中で釘付けになったまま
聞こえる彼の言葉に頷いた
すると少し笑いながら彼は話し続けた









壱「あの〜、目の前に本人いるんですけど 笑」


「ほら、ココめっちゃ好き！皆が歩き出すところ！もう何回見てもカッコイイ」


壱「それは、俺？」


「…北人くん？笑」


壱「何でやねん 笑」


「今年もライブ行きたかったなー…」









少し拗ねながらも、私に笑いかけ
同じ映像を見ながらご飯を食べ進める
私の何気ない一言に、彼は反応したみたいで
お箸を一旦置いた









壱「…そうやな。俺も」









少し暗くなった雰囲気に
私は自分の言葉に反省した
私よりも、今までこの為に努力を積み重ねて
準備して来た本人たちの方が
ショックは大きいよね

無神経なこと言っちゃったな









「ごめん、そういうつもりは無くて、ただ純粋に行きたかったなって」


壱「何、俺に気使ってるん？笑」


「…無神経なこと言ったなって思って…壱馬が一番ショックだよね」


壱「このおかげで俺らはまたパワーアップした姿を見せられる。今年皆に見せられないのは確かに残念やけど、楽しみ増やして待ってて欲しいねんけど 笑」









私の胸がキュンと音を立てたのが分かった
…はぁ、こういうところ本当に好き。

いつでも前向きな彼
これが無くなったからって
決して諦めなくて、それを全て糧にして
自分の力に変えていく








「壱馬」


壱「ん？」


「…好き」


壱「知ってる 笑」








少し暗くなった私に額に軽くデコピンして
優しく笑いながら、またご飯を口に運ぶ
そんな彼が愛しくて、私はまた、彼に恋をする








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