ヤキモチ彼氏くんたちの話。2 ｰ短編集ｰ

【おうち時間】川村壱馬 ページ45

.









「慎くん、あのパジャマ結局プレゼントしたの？」


壱「うん、彼女さん結構喜んでくれてたみたい笑」


「慎くん、本当に可愛いね 笑」


壱「A、こっちおいで」









こんな時期だから外に出れなくて
少し生えた髭と、寝起きの顔をさせながら
慎くんとの電話を切った彼

テーブルに朝ごはんを並べると
彼は携帯を置いて、私に片手を伸ばした

すっぽりと私を腕の中に収めると
ぎゅーっと強く抱きしめた








「壱馬どうしたの？」


壱「…いちゃいちゃしたなった」


「ふふ笑 先にご飯食べ…」









言い終わる前に
彼は私を優しくソファに押し倒し
唇をそっと重ねながら
私の両手にゆっくりと指を絡めた

甘い、甘い、甘い朝
重ねられた唇は、深くはならずに
唇を包み込むように何度も角度を変えて
軽いキスを繰り返す

真っ直ぐ見つめられると
やっぱり芸能人なだけあって
何度見てもカッコよくて、中々慣れない









壱「好きやで」


「…知ってる」


壱「…続きしよかな」









そう言って私にもう一度唇を近付けたとき
彼の携帯の着信音が鳴り響いた
動きが一瞬止まり、私に軽くちゅ、とキスを
落とすと、はぁ〜と深いため息をついた








壱「ええとこやったのに〜…」








画面を見た彼は、身なりを整えて
背筋をシャキッと伸ばした
電話、誰からだろう









壱「おはようございます」


陸「おはよ。元気？」


壱「はい、まぁ…いつも通りです笑 陸さんは…元気ですか？」









どうやら相手は、同じグループの先輩で
休みの間に定期的に色んな人に
電話で様子を確認してくれているらしい
後輩想いな先輩で素敵だな

それはそうと、せっかく作ったご飯が冷めちゃう
電話に夢中になっている彼を置いて
先にご飯食べちゃお
お腹空いちゃったし

電話をする彼を横目にご飯を食べながら
DVDを観ようとテレビを付けると
この間見ていた、TYFのライブが流れた

うわー…やっぱりカッコイイな
目の前に本人がいるのに、何度もドキドキする
今年のライブも、行きたかったな









.

...2→←...2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す