ヤキモチ彼氏くんたちの話。2 ｰ短編集ｰ

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もちろん、毎朝会えるわけではなくて
最近は、2〜3日ほど続けて
会うことは無かった


そんな日の夜遅く、つい残業をしてしまって
終電で帰ってきた自分の家


オートロックの鍵を開けて
エレベータを待っていると
後ろにゴロゴロとキャリーの音


こんなマンションだから大丈夫だとは
思うけど、夜中の密室に
誰かと一緒は、ちょっと怖いから
次のエレベーターに乗ろうと思い
後ろの人に譲った







「…先、どうぞ」


「え…いや、先どうぞ」


「いえ、大丈夫です。すみません、私、後に乗るんで…って、陸さん…？」


陸「…Aさん？」








見た目とのギャップを感じさせる
高くて可愛らしい声

どこかで聞いたことあるなって
じっと見てたら、マスクとキャップの
隙間から見えたクリクリとした目
陸さんだ







陸「やっぱりご近所さんだったの？笑」


「そう…みたいですね 笑 お疲れ様です。お仕事ですか？」


陸「うん、そう。…Aさんは、THE RAMPAGEって知ってる？」


「なんか…聞いたことはあります」


陸「そっか 笑 え、何階？」









他愛もない会話をしながら
安心して、一緒にエレベーターに乗る

階数は違ったようで、私の方が低めの階だった
陸さんの部屋からは、さぞかし夜景や花火
日々の景色が綺麗なんだろうな







「わ、夜景とか綺麗に見えそうですね」


陸「うん、見えるよ」


「いいなぁ〜」


陸「…Aさん」







夜中のエレベーターの密室に響く
ふたりの話し声
気まずい雰囲気になればすぐ分かる
…だとしたら、真剣な雰囲気になっても
すぐ分かる









陸「…今度、夜景、見に来ない？」









真剣に向けられた眼差しは
細く微笑みに変わり、やがてそれは
照れ笑いに変わる

彼は、もう一歩、踏み出した







陸「もし良ければ…デートのお誘いです…笑」


「あ…ふふ」







少し照れながら、お互いきっと
今心臓がドキドキ言ってる

私はエレベーターの降り際に
ボタンを押す、彼の方を向いた






「…ぜひ」


陸「ふふ。じゃぁ…部屋掃除しておきます」


「はい、楽しみにしてます笑 では…おやすみなさい」


陸「おやすみなさい 笑」







エレベーターが閉まり
上に行くのを見送ると
鳴り止まない胸を押さえ
思わず微笑みが零れた

きっと、彼も今、エレベーターの中で
同じこと、してると思う


そして、ここから私は
THE RAMPAGEの青山陸
とのお付き合いが始まる








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