ヤキモチ彼氏くんたちの話。2 ｰ短編集ｰ

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何とか同期の陣くんから聞き出してみると
彼が、私のことを好き、みたいな
噂が流れているそうだ


誰も本人に聞く勇気は無くて
謎なままらしい
でも、他の女の子よりも
ボディタッチが多いことから
その噂は、本当なのかもと言われているそう


でもある所の噂では、見た目から
遊び人、との噂もあるようだ



うーん…私のことが好き…？
全くそんな風に感じたことはない
ボディタッチも、皆と同じくらいだと思う


何より、私の前で 神谷健太の
男の顔を一度も見せたことが無い

普通、好きな人が居たら
意識してるっていうのをこう、
ふわっとだけど相手に匂わせるものでしょ？








「わ、ヤバー。こんな時間になっちゃった…」


健「会社戻ってたら完全に泊まりコースですね」


「誰のミスでこーなったと思ってんの」


健「あは、すみません」









今回は珍しく神谷のミスで
営業先に一緒に来ていて
出る頃には、まさかこんなに遅くなるとは…

私と神谷の家は、営業先からの方が近くて
会社に戻ってたらかなり遠回りになる

会社戻ってやりたいことあったけど
泊まってまでは厳しいなー…

神谷は、もう切り替えたのかそんな私を見て
ヘラヘラと笑ってる


お腹も鳴っているのがバレバレなようで
イタズラな笑みを浮かべて
私の方を見た








健「Aちゃん、もう戻るの諦めて飯、行きましょ」






仕方ない…こーゆー日もあるか。

会社に直帰の連絡をして
二人の家の近くの居酒屋に
とりあえず入ると
癖のようにお酒を頼んでしまった

アルコールには、弱くはない方だけど
疲れていたのか、それとも彼のお酒の
ペースに流されていたのか








健「Aちゃん、Aちゃん」


「ん…へ…？」


健「俺トイレ行ってる間に寝るとか無しです 笑」







さっきまで何とも無かったのに
彼がお手洗い行ってる間に
ウトウトしてしまっていたみたい







「わ、多分疲れてるんだ」


健「だろうね 笑」


「ん、お会計しよっか」


健「もう終わりましたよ〜」


「え？」







私がウトウトしている間に
どうやらお会計を全て
払ってくれたみたいだった

私が先輩だし、そういうつもりで来たし
お金を返そうとしても受け取ってもらえない
後輩なのに、奢ってもらうなんて
申し訳ない






「いいって、出すよ、私が」


健「だから要らないってば」


「悪いよそんなの、私の方が先輩なのに」


健「好きな人に、お財布出させたくなーいの」








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