ヤキモチ彼氏くんたちの話。2 ｰ短編集ｰ

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「慎くん、いる…？」









少し踏み込んだ教室
グイッと腕を掴まれ、誰かに押し倒された
一瞬、誰だと思い、怖くなったけど
薄暗い中に見えるシルエット
…彼だ









慎「…何で来たの」


「え…先生…探してたから…」


慎「……Aちゃん、俺のこと好きでしょ」


「な、何、急にどうしたの？」


慎「…俺のこと、好き？」









私に跨って、馬乗りになったまま
床に腕を押さえつけられる
彼の表情は全く見えないけど
暗闇でも分かる、真っ直ぐに私を見つめている


そう思うと、不謹慎にもドキドキして
沈黙が続いた



いつものフワフワした雰囲気が無くて
話し方も、しっかりしていて
なんか…怖い



彼のこと好き、だけど…
仲良くなれただけで嬉しいし
一緒に居て楽しい

もし、好きって言って
この関係が終わってしまうなら
言わなくてもいい









「…好き、だけど…今は友達でもいいかなって…思ってる」


慎「俺の彼女になりたい？」









なりたいって言ったら、どうなるの？
不安を胸に抱えながら
暗闇の彼を見るけど、表情は全く読めない









慎「…ねぇ、聞いてんの」


「…(ｺｸﾝ)」


慎「それは彼女になりたいっていうことで、いい？」









こんなに強引に話す彼を見たことが無くて
頷いた私を誘導するように、問い掛ける彼に
流れに身を任せるように
私はもう一度、小さく頷いた









慎「じゃぁ、はい」









自分のネクタイを緩めて
首元まであるボタンをゆっくり外す彼
シャツをはだけさせて鎖骨を見せると
ニコッと笑う彼に戸惑う私






「え…？」


慎「契約」


「契、やく…？」


慎「俺がAちゃんのっていう、印付けて」









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