絆創膏。(青)

１１ ページ11

.







会社の主要なフロアをそれぞれ回り、説明をしていく。








安田さんは特に緊張を見せるわけでもなくて、各部署の人間と笑顔で挨拶を交わしていく。








でもどうしても気になるのが、その視線。








ふわふわしてるのかと思えば、さり気なく周りを見ていて、相手の名前をすぐに取り入れた会話をしていく。









その全てが意識しているようにもナチュラルにも見えて、安田さんという存在が全然わからなかった。








各フロアを回り、私の部署まで来た。









「ここは、私も所属しているところで………」









丸「あっ！白川さんおった！

全然見当たらんからどこにおるんかと………

あ、すみません。お客様でしたか？」









安「初めまして。この度社長秘書として参りました安田です。

大事な白川さんを少しお借りしてました。すみません♪」









丸「あー！そうやったんですね！！

どうもどうも！ようこそ、ウェルカム、大歓迎です♪

僕は白川さんと一緒にサブマネージャーやらせてもらってます丸山です♪

あ、マネージャー呼んできますねー♪」









そう言い残して丸山さんは行ってしまった。









いつも通りいつも通り。








安田さんはにこっとした笑顔で丸山さんを見送った後、フロアを見渡す。









安「丸山さんですかぁ。

すごく素敵な方ですねぇ？」









「えぇ、社内での人望も厚いですし、私も尊敬しています。」









安「そっかぁ。いい雰囲気なんやなぁー。」









「………安田さんが今後関わりの多くなる部署はここが最後です。

他に何か気になるところはございますか？」









丸山さんのこと、気づいてはいなかった？









表情が変わった気はしなかったけど。









安「うーん。

とりあえず大丈夫♪気になる事はまた後でお伺いします。

頼りにしてるで？白川さん♪」









またあの笑顔。









でも、その心は何を思っているの？









.

１２→←１０

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す