佰玖拾壱 ページ32
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〜中島side〜
死体処理に早急に取り掛かる与謝野さん
手伝う賢治君
涙が止まらないナオミさんと、そんなナオミさんを抱き締める谷崎さん
頭を抱え込む国木田さん
静かに目を伏せ、部屋を出る社長
何処か、遠くを見つめる太宰さん
僕は、唯々突っ立っていた。
「……!」
ふと
鏡花ちゃんが目に涙を溜めて、僕の袖口を掴んでいた。
「鏡花ちゃん……」
泉「……」
「あの、太宰さん
少し……」
太宰「ああ、私が許可するよ」
太宰さんは薄く笑う
僕は少し安心して、鏡花ちゃんと共に喫茶店のうずまきへと足を運んでいた。
ずっと涙を溜めて、押し黙っている鏡花ちゃんに
パフェを注文
暫くすると、注文されたパフェが鏡花ちゃんの前へ置かれた。
何時もなら目を輝かせて、匙を手に取るのに
ずっと下を向いた侭だ。
「あの……鏡花ちゃん」
泉「私、あの人が刺客だって知ってた」
「え……?」
泉「私が皆に助けて貰って、それで林芙美子と探偵社で逢ったあの時から私は……っ」
ああ、そうだ
鏡花ちゃんも林さんも、ポートマフィアに居たから
互いを知っているんだ。
……でも、それなら如何して……?
泉「皆に云いたかった、けれど云えなかったのは……
林芙美子の異能【放浪記】
予て契約をしていた私は、あの人の許可無しでは、此の話題に触れる事が出来なかった。
口にしようとしても出来ず、行動でおこそうとしても出来ず
知っていたのに、結局何も出来なかった……ッ!」
「鏡花ちゃん……」
目尻に溜まっていた涙が、ついにぼろぼろと零れ始めた
鏡花ちゃん、そうだよね
相手が異能を使っていたからとは云え、矢張り辛いんだろう
「……大丈夫、鏡花ちゃんの思いは今僕が受け止めたから
誰も君を責めないから……
だから、食べようよ、パフェ!」
僕は鏡花ちゃんに満面の笑みで
そしてパフェの生クリームを一口、口に含んだ
「うん、甘くて美味しい!
鏡花ちゃんが食べないなら僕が一人で食べちゃうからね」
泉「なッ……
……負けない。」
「は、疾ッ!
そんな焦らなくても冗談だって!」
そして、彼女が今こうして
僕に林さんについて話せていると云う事は
矢張り林さんは死んで……
鏡花ちゃんへの口封じの異能も解かれたって事なんだ。
改めて実感
身近な人の死は……思ったより苦しいものだった。
立場は敵でも、僕からしたら……
先刻迄仲間だったんだ。
〜中島side 終〜
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竜泉(プロフ) - ルーインさん» 織田作の天然なところ、確かに可愛いです。なのにしっかりしてるところもあって…… 可愛さもかっこよさも兼ね備えているなんて狡い……笑 壱から読んでいただけて、光栄です! コメントありがとうございました! 励みになります! (2017年3月13日 22時) (レス) id: 388cb5bae8 (このIDを非表示/違反報告)
竜泉(プロフ) - なのさん» いえいえ、こちらこそリクエストありがとうございます! この作品初リクエストで不安だったのですが、そう言っていただけて安心です。 織田作の天然さは神がかってますよね笑 コメントありがとうございました! (2017年3月13日 22時) (レス) id: 388cb5bae8 (このIDを非表示/違反報告)
竜泉(プロフ) - ゆいさん» 私も自分で書いていてキュンッとしました。 実際にポンポン持って授業参観に来て欲しいですよね笑 授業を寝ない自信、そして頑張れる自信があります! コメントありがとうございました! (2017年3月13日 22時) (レス) id: 388cb5bae8 (このIDを非表示/違反報告)
竜泉(プロフ) - 研磨剤さん» そう言っていただけてとても嬉しいです、何せ話がだらだらと長引いてしまっていますので、飽きる方も多いかも知れません。ですので、なにより私の支えとなる言葉です。 コメントありがとうございました! (2017年3月13日 21時) (レス) id: 388cb5bae8 (このIDを非表示/違反報告)
ルーイン - ポンポンはウケた(笑)織田作天然過ぎて可愛い…←あ、続編おめでとう御座います!壱から猛スピードで読んで参りました(笑)続き気になります!更新頑張って下さい!!(^^) (2017年3月8日 17時) (レス) id: 32d25253d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竜泉 | 作成日時:2017年2月4日 6時