織田作の面影 -伍-

佰陸拾参 ページ4

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〜太宰side〜







探偵社での最近の仕事は

何れ避けられない、対組合に向けての情報集めが主になっている


と云っても、ポートマフィアで見付けたあの資料以降

有力な情報など一切得られなかった。


然し、私は今は組合など眼中に無い。


ポートマフィアに行ってしまったAちゃんでいっぱいなのだ。



其れは探偵社の皆も同じ事

けれど何が理由か迄は知らないが



彼女自身の意思で、こうなったのだから

無理矢理なんて出来なくて



だから、今日こうして

何となく彼女と逢える気がして
此の公園に来た。



あの時国木田君が、Aちゃんを頼んで来たのは

私が単独でAちゃんとの接触を試みると、推測したからだろう


そして案の定、彼女は居た

思いも寄らない姿で……




黒色の服
闇に溶け込む気配
怪しく光る紫色の目


殺し屋以外の何を思い付けるだろう



違和感など感じず

美しいとさえ思ってしまった。





「……はぁ

何をしているんだ、私は

何で、焦ってる」



彼女を泣かせたのは少しある


ポートマフィア側に居る事は大して大きく考えていない。




……一番は


首筋に付いていたキスマーク


ハニートラップなんて出来やしないものをするなんて、馬鹿じゃないの


彼女にそんな任務を与えた森さんに、心底嫌悪感を覚える




「……余裕無いなぁ」





……だって、私は彼女が

織田Aが＿＿＿だから。






彼女とデートをした時に、恐らく此の感情を抱き始め

彼女が探偵社から居なくなって気付いた感情だった。



私が真逆ここ迄、必死になるとはね……


私らしくない、君達兄妹は

何処迄、私を変えていく気なんだい？









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