REBORN ―己の使命。そして存在― (ページ11)

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裏庭ページ11

私は、部屋に行ってからすぐに本を持って裏庭に行った。

ここは私が好きな場所の一つだ。

なんでも、柵でかこってある外側はすでに森で、内側は花壇にはチューリップや

パンジー、クロッカスと様々な花が植えられている。

選んだ花は特に理由はなく、ただかわいくて低予算なものを選んだだけだった。

花壇は自分で費用を出して自分で作って、そして自分で育てたからだ。

それ以外には勝手に生えたシロツメクサで埋め尽くされている。

花は大好きだった。

そして(少しスクアーロに手伝ってもらったけど、基本)自分で作った木のベン

チ。長さが二人分あるのは、制作中に兄さんも呼ぼうと思ったからだ。でも出来

上がった後に気付いた。兄さんはきっと木の椅子には座らない。と…

でも作りなおすのも面倒なのでそのままになっている。

だが、今みたいに本などの置くスペースになって中々役だっている。

だから今は結構気に入っている。

本当は水筒に紅茶でも入れてもらって飲みながらゆったりした時間を過ごしたか

ったがロビーに行くのも気が進まないから何も持ってきていない。

パラソルはないけど近くに木が生えてるので日よけはそれだけでよかった。

本を開いて本の世界へ入って行く…。

―――

祐「え？」

俺は作業中の手を休め、意外な言葉を発したマーモンに視線を向けた。

祐「待って…、今月中に？」

マ「立ち聞きしただけだから正確か分からないけどね。今月中にはきっと日本に

向かうと思うよ。」

祐「そうか……ありがとな。金は払わないけど。」

軽く舌打ちが聞こえた気がしたが、まぁよしとしよう。

祐「ところで…。なんでお前が教えてくれるんだ？」

こいつは少なくとも今までの経験では無料で、しかもマーモンから情報を提供

するなどなかった。

いったいどうしたんだ…？

マ「…。早めにAと仲良くなった方がいいと思うからさ。」

あぁ…そうか。そうだよな。会えなくなるかもしれないんだからな…。

祐「あぁ…そうだな。」

ふと、何気なく窓に目をやると、空はどす黒い雲で覆われていた。

そろそろ雨が降りそうだ。

マ「何処に行くんだい？」

祐「ちょっと…。」

俺はそれだけ行って出来あがった『ソレ』を持って玄関に向かった。