あの子の名前

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語部視点

探偵社の人たちが来て、逃げてしまった
上手く人混みの中に隠れられたから、簡単には私を見つけないだろう
安心した途端、上手く息が吸えなくなっていた

「…なんで…よ……どうして皆んなは…私をそんな目で見るの…？」

息が苦しくなっていく。意識も朦朧としてきた

こうなったのも、あいつらのせいだ
鏡花…殺さなきゃ、いけなかったのに

邪魔が入って、しかも、私をごみのように見ていた


「…私…は…正しくないの…？」


体に力が入らない


様子がおかしいと気づいた人が、私に向かって大丈夫ですかと聞いてきた

其れ程酷い有様だろうか？
和希のところに行けば…親友のところに行けば…きっと楽になる

願いながら、和希のいる家に向かった



「…かず…き……」

「琴音！？大丈夫！？」

「和希…あの…ね……私、頑張ったんだよ。でもね、逃げちゃったの」


「ごめん。ごめんね琴音。琴音にばっかり辛い思いさせて…琴音は悪くない。悪くないよ」

私を抱いてくれた


安心しきって、泣きながら眠ってしまった

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