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第十五話 ページ17

蝶屋敷に来てまず、カナヲや師範、しのぶ姉さんに会った



鬼殺隊のこととか呼吸のこととか



たくさんのことを教えてくれたの



でも皆、私に痛覚と味覚がないってわかった瞬間



何も教えてくれなくなった



己の怪我の程度もわからない奴はただのお荷物だもんね



でも、その代わりに師範は薬学のことを教えてくれた



私やカナヲが14歳になった頃ぐらいかな



師範にこんなことを言われたの



「A、あなたは心の怪我を治すんですよ。」



言葉の意味は理解できたけど



意味がわからなかった



「Aは目、耳、鼻がいい代わりに痛みがわからないよね

でも、あなたは人一倍心の痛みを察知できるはずなの。

だからあなたは、隊士じゃなくて、医師になりなさい。」



って。



私よりも辛い思いをしてる人はたくさんいるはずなのに



私よりも心の怪我を知っている人だっているはずなのに



どうして師範は私を医師にしたのか



今でも理由がわからない



今までずっと自信がなかった



本当に私は今のままでいいのかって



本当に誰かを助けてあげられているのかって



なんにも自覚できるようなものがなくて



すごく困ってた、悩んでた



でもそんな自分を認めたくなくて



誰にも相談しなかったし



そんな事実はないって



自分にすら嘘をついてた



でもそんなとき、炭治郎さんや善逸さん、伊之助さんと出会った



あなたたちは鼻や耳、感覚が鋭くて



すぐに私の心の迷いを当てて見せた



私はその事実を認めたくなかったけど、認めざるを得なくなった



本当に、私が今こうやって



開いたら止まらない口で喋り続けているのも



あなたに弱みを見せているのも



私が今まで我慢してきたことをしてるのも



全部全部、あなた達のせいです



こんなカッコ悪い姿、誰にも見せたくなかったのに

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翡翠 - 続き楽しみにしてます!これからも無理しない程度に更新頑張って下さい! (2020年4月21日 20時) (レス) id: 040119bf1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゅばぼん | 作成日時:2020年4月19日 17時

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