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兄様、中原さんとは寝てませんよ(にこっ) ページ9

男「た、助けっ....」

バタリと男はその場で倒れ、やがてその命が消えた

然し死んだ男に目立った外傷もなければ、男は何の病気も持っていなかった

だが男は死んだ

それは何故か?

「世の中には思い込み、と云うものがあります。」

「一人の死刑になる男を目隠しをした状態で椅子に縛り付け、腕に一本の針を実際に刺します。」

「そして男にこう云います。『お前の血を今から徐々に抜いていく。どのタイミングで死ぬかは判らないが、これに耐えられたらお前を出してやる。』と。」

「そして用意しておいた桶に、水を一滴、また一滴と落とし、まるで自分の血が流れてるような音を男に聞かせます。」

「やがて血は一滴も落ちていないと云うのに、その男は血液が足りない事からその場で死んでしまいました。」

「つまり、人は脳の過ちによって死んでしまう事があるのです。だから私の異能である《道化の華》で殺される幻覚を見れば、脳が殺されたと思い込み、本当に死んでしまうんです。」

?「...つまり、三年前の《GSS》の死因はその思い込みってやつで死んだってことか?」

「そうなりますね。足を抑えて倒れたのは、足を撃たれた幻覚を見たから、背中を大きく反らしたのは、幻覚の中で背後から撃たれたから、だから脳が本当に撃たれたと勝手に思い込み、彼は死んだのです。」

?「やっぱ手前の異能はヤバいな...」

「ヤバい異能だからこそ、首領が私に目を付けたんです。」

?「ならもう一つの異能も首領が知ったら、とんでもねえ事になるのは間違いねえな。」

「でしょうね。だからこそ、秘密にしているのでから。」

そしてAはふと自分と話してる同い年の青年の全体を見つめた。

?「なんだよ。」

「いえ、その帽子に服が似合っているなと。その帽子、蘭堂さんのですよね?」

?「ああ。首領から貰ったものだがな。手前等兄妹も、その外套貰ったんだろ?」

「ええまあ。」

Aは自分の羽織る外套を見つめ、やがてその外套に袖を通した。

?「...太宰とは最近会ってねえのか?」

「はい。最後に会ったのは二週間前くらいですかね。ああでも、中原中也さん。貴方とはよく会いますね。何故でしょう?」

Aに名前を呼ばれた青年、中原中也は肩を竦めた。

中也「さあな。俺は太宰と違ってまだ幹部でもなんでもねえからな。」

「何年後に幹部になれるか教えましょうか?」

中也「...否、今の俺には必要ねえ。手前から俺の知りたかった情報はもう得てるからな。」

兄様、私の方が情報量は多いですよ→←兄様、首領は1度軍警に捕まるべきなのでは?


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作者名:迷ヰ猫 | 作成日時:2020年2月12日 23時

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