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フョードルSide

完全にぼくのミスでした。

ゴーゴリとの通話を終え、帰る事をAに伝えようとAが居たであろう場所に目を向けたが姿は無く、少し近くを探したが見つけられない。

携帯に掛けてみたがホテルに忘れて来てしまってるのかずっと呼出音が鳴るだけだった。

フョードル「だから嫌なんです...」

Aはまだ幼い。下手に外に出し何かに巻き込まれたら...

その時突然携帯が鳴り、非通知と表示されているととりあえず通話ボタンを押した。

フョードル「もしもし?」

『もしもしフェージャお兄様?』

フョードル「A!?A、今何処に居るんですか?」

『えっと...お兄ちゃん、此処何処かな?』

お兄ちゃん?

『雑貨店○○って場所。』

此処からそう遠くはないですね...

フョードル「わかりました。其処を動かないで下さいね。」

『うん。』

ぼくは携帯をしまい急いで其処へ向かった。そしてAの姿を見つけると胸を撫で下ろした。

フョードル「A。」

『フェージャお兄様!』

フョードル「全く、勝手に何処か行ってはいけませんよ?」

「御免なさい...」

フョードル「貴女が無事ならそれで良いですよ。所で、お兄ちゃんとは誰の事ですか?」

「あ、此処に居る黒い帽子を被った....あれ?居なくなっちゃった...」

フョードル「黒い帽子....A、そのお兄ちゃんにはお礼は云えましたか?」

「うん。何か怖い男の人に殴られそうな所を助けてくれたり携帯も貸してくれたの。ちゃんとどっちもお礼云えたよ。」

フョードル「待って下さい。殴られそうになったのですか?」

「う、うん。私がぶつかっちゃって...」

後でその男に制裁を加えましょう。

フョードル「とりあえずホテルに戻りますよ。」

「うん。」

ぼくはAを抱き上げホテルへと向かった。

「名前、聞いとけば良かった。」

そんなAの呟き声に何も云わずそっと頭を撫でた。


中也Side

中也「あー....」

さっきは柄にも無い事をしちまった...

彼処には偶然居た。幼い少女が大柄な男に殴られそうなのが目に入ると自然と身体が動いていた。しかも迷子だった様でスマホ迄貸した。そして少女が居たと教えてくれれば俺は何も云わず、その場を去った。

まあ、俺はマフィアだから余り関わりは持ちたくねえしな。

中也「却説と、帰るか。」

もう会うことはねえだろうしな。

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作者名:迷ヰ猫 | 作成日時:2019年7月16日 1時

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