図書室の後輩２ 【赤司 征十郎】

×１９ ページ21

貴方side.


〜放課後〜






赤「A、いるかい？」




貴「赤司先輩」








放課後、久しぶりに赤司先輩が旧図書室に来てくれた。



手には小さなラッピング袋を持っている。








貴「……？？ これは……」



赤「クッキーだよ。調理実習で作ったんだ。おすそわけ」



貴「ありがとうございます」








いつもどうり、カウンターを挟んで座る私と赤司先輩。



クッキーをひとかけら、口に含む。



さくさくとした食感と、ほんのりとした甘さが口の中に広がった。








貴「……！ おいしいです……。




赤司先輩、料理できたんですね」




赤「失礼だな。俺だってするよ、料理ぐらい。




一人暮らしも同然なんだから」




貴「！？ 赤司先輩……一人暮らしなんですか」




赤「実際、そういうわけじゃないよ。




親の仕事が忙しくてね。一人で過ごす時間のほうが多いってだけ」








しれっという赤司先輩に、私は、








貴「寂しくないんですか」




赤「別に？ 寂しいっていったら、A、来てくれる？」




貴「行きますよ」




赤「ほらね……って……は？」








珍しく呆け顔をする赤司先輩。

×２０→←×作者から×

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す