８話…人との縁 ページ8
季節は冬、窓の外には雪が積もり始めてる。
時間が経つのはあっという間。だからそれを大事に過ごさなければいけないと祖母は何度も言っていた。
「本当にあっという間…」
祖母は私と同じで霊感のある人だった。私が幼少期に姉から虐められているといつも助けてくれた。
今日は祖母の三回忌。祖母は昔から心臓が弱かった。ある日スーパーで倒れてそのまま逝ってしまった。
祖母の好きだったお菓子を遺影の側に置いて花の水を変える。
姉達も今日ばかりは顔を出している。父は実の母の死をなかなか受け入れられて居なかったが今は大丈夫の様だ。
祖母と縁のあった人達が次々と絶え間なく訪れる。祖母は人との縁を大事にする人だった。
人の出入りが落ち着いたからそっと玄関に行ってマフラーを巻いて祖父の家を出る。
肌に突き刺すような寒さだけど私は行きたい場所があった。自然と走った。
祖父の家からそう遠くない畑。その側に大きな桜の木がある。その麓に見知った姿があった。その姿を見つけて、走っていた足がゆっくり止まった。
「久しぶり。お婆ちゃん」
にっこり笑って呼ぶとゆっくり振り向いて笑ってくれた。
祖母「久しぶりだねぇ、元気してたかい？背は随分と伸びたようだねぇ」
「うん。元気だったよ…。」
俯いてしまった。
祖母「どうしたの？どこか痛いのかい？」
「ううん、お婆ちゃん、３回忌終わったらまた天国行っちゃうんだなって」
当然の事だ。祖母の３回忌が終わればまたあの世に帰るのだ。
祖母「Aは優しいねぇ。
A、人はいつか居なくなってしまうものさね。人に与えられた時間は決まっているんだよ。
その時間をどうするか、どう使うか人それぞれだけど、皆いずれは逝くときが来る。
時間は流れているからそれは仕方の無いことだ。時間は止められない。
でもほら、この桜の木を見てごらん。ここまで大木になっている。時間が流れているから大きくなれた。春には新しい花を咲かすだろうねぇ。
時間の流れは残酷だと言うけど、悲しいことだけじゃないんだよ。
妖怪との縁も人との縁も大事にしなさいね。私は少し遠いところで、Aを見守ってるからね」
風が吹いて、目を開けると先程まで優しい笑顔を浮かべていた祖母の姿は無かった。
空を見ると、どこまでも澄み渡った青い空が広がっていた。
ーーーーーーーー
皆さんの大切な人も、きっと皆さんを見守っていますよ。
次の回でたくさん絡ませます！出せなくてごめんなさい！
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ぴく(プロフ) - 社会人なるまで描くの良いと思います！最近見始めました！！ (2020年9月21日 12時) (
レス) id: 0dfcf80db5 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - Twitterフォローしたんですが伝え方がわからなくて、、コメ欄で伝えます笑 (2020年8月16日 0時) (レス) id: 00103a5288 (このIDを非表示/違反報告)
(\\~\\)めじぇのさぷ - あっち！こっち！そっち！ボッチ！？！？なんていい掛け声なんだ……(使お) (2020年8月15日 2時) (レス) id: 7ce5097465 (このIDを非表示/違反報告)
KANASA19760527(プロフ) - pkさん妖怪説 (2020年7月19日 22時) (レス) id: 386a561804 (このIDを非表示/違反報告)
馬鹿の者 - クラスが一緒でんかよく〜はらっだぁと日常組の事です() (2020年7月18日 9時) (レス) id: e5eb2b3e4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モルモット | 作成日時：2020年6月9日 14時
