Y ページ48
【お前なんかいらねぇよ。】
クォンさんが出ていっちゃった...
【お前なんかいらねぇよ。】
頭の中をこの言葉がリフレインする。
私の言葉は何も届かない
やっぱり、この手には大切に想うものを掴んでおく力はないのかもしれない。
いとも簡単に切り捨てられた感にうちひしがれていた。
ｶｲﾄ「A、俺が話してくるから」
A「...」
カイトさんが、クォンさんを追いかけていった。
一人、部屋に取り残された私
...
...疲れた
誰かに幸せにしてもらいたいと思った事はなかった。
一緒に幸せになりたいと願っていた
だけど、私の好きになる人達は、近づけば近づくほど、私の言葉を聞かなくなっていく。
どちらか一方の幸せは望んでない。
自分を抑えて、我慢しながらの幸せならいらない。
こうなる前から、韓国にはいかないと決意していた。
それでもクォンさんと終わりにしないために、どうしたらいいのか考えていたけど、
クォンさんとは終わりにする
二人でいたら、結局傷つけあう事になるような気がする。
未来の事は分からない。
だけど、始まる前から、お互いに幻滅し始めてる関係が続くわけがない。
お互いのために
いや...私自身のために
クォンさんとは終わりにする
玄関のドアが開いた。
戻ってきたのは、カイトさん。
息をきらしながら
ｶｲﾄ「話してきた。少し時間はかかるかもしんないけど、たぶんアイツ来るから...。」
A「...」
ｶｲﾄ「アイツが、どこまで俺の話信じるか分かんないけど、ちゃんと誤解だって話したから」
A「...」
ｶｲﾄ「ゴメンな...A」
黙って首を振った
ｶｲﾄ「俺が言うのもなんだけど、ちゃんと話せよ」
A「...」
ｶｲﾄ「それと...俺もさっきの話、諦めてないから」
A「...？」
ｶｲﾄ「一緒に帰ろうって話」
A「...」
ｶｲﾄ「これ、飛行機の時間」
紙を渡された
ｶｲﾄ「もう、間違わない。見失ったりしない。二人で幸せになろう」
そう言い終わった途端、照れて笑ったカイトさん
この時の優しさに満ちた笑顔が、心に残った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 140人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yui | 作成日時：2017年12月2日 14時
