Y ページ44
A「何...してるの...」
ｶｲﾄ「..A...ゴメン。怖いよな...」
A「...」
ｶｲﾄ「何か...帰るに帰れなくて...」
A「ずっと待ってたの？」
ｶｲﾄ「..バカだよな...」
A「...入って」
ドアを開けて、カイトさんに振り向いた
ｶｲﾄ「いいのか？」
A「...放っておけないでしょ」
ｶｲﾄ「ゴメン」
A「...」
さっきまで、クォンさんの腕の中にいた事を思うと、後ろめたい気持ちになった。
俯いてソファに座っているカイトさんの前にコーヒーを置いた。
ｶｲﾄ「ありがとう」
顔を上げて私を見た
A「...」
カイトさんを直視する事が出来ない。
ｶｲﾄ「クォン君と..居たのか..」
A「...」
ｶｲﾄ「もう、何も言う資格ないよな...」
そう言って目を伏せた
A「...」
ｶｲﾄ「ただ...謝りたい。今までの事。今更だけど...話聞いてくれないか？」
A「...もう..いいよ。...終わった事だから...」
ｶｲﾄ「終わった事...」
ｶｲﾄ「俺、今でもAが好きだ」
A「...」
A「...私、ずっと不安だった。カイトさんには他に好きな人がいるんじゃないかって...」
A「いつ別れを告げられるのかって、ずっと怯えてたの。」
ｶｲﾄ「本当にゴメン...その事も全部話すよ。」
A「ゴメン..それ聞けるほど強くない..」
ｶｲﾄ「...」
A「去年の誕生日..誰と過ごしたか分かったの」
ｶｲﾄ「本当に悪かった..」
A「もう、信じられないの」
ｶｲﾄ「チャンスをくれないか？もう一度信じてもらえるように頑張るから」
A「...ずっと、カイトさんを信じようって自分に言い聞かせてた。だけどそれって、本当は信じてなかったって事なんだと思う。」
A「私達、ずっと前から終わってたんだよ」
ｶｲﾄ「...」
A「だから、あなただけを責められない」
涙が堪えきれなかった。
ｶｲﾄ「何で...」
A「...」
ｶｲﾄ「何で、最後まで許すんだよ...俺を許すなよ...」
カイトさんも泣いていた。
私自身にあった非も認めて、カイトさんを許す気持ちになった途端、私の中の怒りが薄らいでいくような気がした。
A「今まで、ありがとう」
ｶｲﾄ「...どうしても終わりしかない？」
A「ゴメン..」
ｶｲﾄ「...」
ｶｲﾄ「今日の午後、日本に帰る。もし...もし、やり直すチャンスがあったら...一緒に帰ろう。Aの事待ってる。来なかったら...諦める」
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作者名：yui | 作成日時：2017年12月2日 14時
