会いたい人は...５ (ページ42)

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Y ページ42

ジヨンさんと関係した。

売り言葉に買い言葉からの、ハプニングではない。
少なくとも、私はクォンさんを求めていた。

クォンさんから与えられる快楽に溺れていく自分が怖い。

女の私よりも妖艶なのは、どうした事なのか...

睨み付けるような視線で私を見下ろす彼に、支配されたいと願う自分がいた。

いつから好きだったかと聞かれたら、正直わからない。
今の気持ちは...と、自分自身に問いかけた時、既にクォンさんに会いたいと思っていたのだから...

昨日まで、カイトさんの事で苦しんでた自分を考えると、急激に心の中を支配するクォンさんの存在が、本当の恋心なのか疑問に思ってしまう。

カイトさんへの気持ちに変化がありすぎて、カイトさんと比べるのも変な話だと感じるくらい...クォンさんが大きな存在になっていた。

一緒にいたいと言ってくれるクォンさん

嬉しい。

けど...

私には、恋愛の他にも大切なものが出来ていた。

カイトさんの事で悩んでいた時、私の心の支えとなったのは、仕事だった。

思うようにいかない私生活から逃げるように仕事に打ち込むうちに、やりがいを見いだしていた。

二年前、私を救うために動いてくれたホテル...

まだ、何も恩返しが出来ていない。

研修が終わった途端、はい辞めます！とは、どうしても言いたくなかった。

自分の気持ちに嘘はつきたくない。

嘘をついてでも一緒にいたい...なんて綺麗事は、自分には出来ないとわかったばかり。

相手に合わせるための嘘や我慢は、結局、誰のためにもならない。

たとえ、お互い別々の道を歩む事になったとしても、後悔しないように、今、きちんと考えようと思う。