G ページ33
Aが出ていった後、韓国に戻る手配をした。
もう、ここにいる意味なんてない。
Aが、イタリアに居たくない理由がカイトさんなら、俺がイタリアに居たくない理由は、Aだ。
ここに居ても、辛いだけ...
早く、あんな女忘れたい。
窓の外を眺めていた。
高層階からの眺めは、Aと行ったバニョレージョを思い出させた。
抱き締めたAの華奢な体
ほのかなフローラルの香り
胸が苦しくなるような切ないキス
"忘れたい"と思うそばから、浮かんでくるAの姿。
あんな女のどこがいいのか...
正直、全然分からない。
でも、どこがいいのか分からないから、たちが悪いんだ。
悪口なら、どんどん言えるのに...嫌いになれない
妙な女...
早く忘れろよ...俺
スマホが光った。
Aからの着信...
出るわけないだろ！
忘れるんだから。
どうせ、又、友達だとか何とか言うんだろ？
もういいよ。そんなの。
早く消えちまえ...
クソ！
G【何の用だよ】
A【あ、クォンさん？】
G【俺にかけたんだろ？】
A【そうだけど...怒ってる...よね。スミマセン。切ります。】
G【おい！ちょっと！】
A【...】
G【だから...何？】
A【あの...】
G【...】
A【えっと...】
G【...】
A【...】
G【...】
A【...やっぱりいい。】
G【だーかーらー！言えよ！】
A【..たいです..】
G【何？聞こえない】
A【...会いたい...です】
G【...】
G【もう一回】
A【..会いたいんです】
G【誰に？】
A【あなたに】
G【もう一回】
A【...】
G【もう一回！】
A【もう...いい】
G【言えよ。誰に会いたいか】
A【会いたい...クォンさんに】
ふざけんなよ...
G【どこにいる？】
A【近く】
G【来いよ】
A【気持ち悪くない？】
G【は？】
A【私が、こんな事言うの】
又、訳のわかんねぇ事を...
G【いいから、今すぐ来い！】
ピンポーン
部屋のチャイムが鳴った
すげぇタイミング(笑)
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作者名：yui | 作成日時：2017年12月2日 14時
