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「……あー、伊作先輩に顔向けできない」
せっかく先輩が私を信じて大切な後輩を託してくれたというのに、結局私が怪我をして一人にさせてしまうなんて情けなさすぎる結末だ
「雨が止んだら自力で帰らないと、っ」
動かないなんて弱気なことを言っている場合かと自身の足を叩いても正直感覚はないし立ちあがろうとしても平衡感覚が保てない…なんなんだ、これ。骨は無事なはずなのに…
思い通りに動かない体に心の底から憤りを感じ、結局そばにあった木に体を預けることしかできなくなってしまった
『……忍術学園の生徒』
「！？…しまった…」
気づいた時にはすでに遅いが、背後から何者かの声がする
…なんでこんな人一人の気配にも気づかずに…
『大きな音が聞こえたんで来てみれば……大丈夫、私は君の敵ではない。それに気配を消していたから気づかなかったのも当然だ』
「あ、あなた…確か山田先生のご子息の…」
本日2回目のプロ忍者との対峙
…しかしそれは私にとってピンチに陥るようなものではなかったみたいだ
利吉「いかにも、山田利吉だ」
その言葉を聞いて全身の力が抜ける。
…助かった、のか…？
利吉「こんな雨の中足が動かなくなっているなんて…演習か？」
「いえ……」
利吉「…いっそのこと橋と一緒に落ちてしまった方が軽傷だったんじゃないか」
「後輩がいたもんで…そこまで気が回らず……ダメですね」
利吉「その後輩は？」
「先に逃しました。その前に別の忍者に追われていたので」
利吉「随分不運だな…君」
「不運なのはその後輩のはずなんですが…」
学園関係者のプロの忍者がそばにいてくれるという安心感からなのか、怪我の痛みとは裏腹に口だけはペラペラと動く。これだからくノ一は…と思われてしまっても仕方がないだろう
利吉「四年生にしては見たことがないな…まあいい、乗れ」
「で、でも…」
利吉「歩けないんだろう？」
「すみません…制服すごく濡れてるのに…」
利吉「夕立にやられたのはお互い様だ」
私はなぜこの歳になって男性におぶられると言う経験を数日間で2回もしているのだろうか…
利吉「……君、もしかしてくの一か？」
「？そうです」
利吉「…そうか」
私の記憶に残っている利吉さんとの会話はここまでだ。
大人への安心感だろうか、私もまだまだ未熟だな。
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八重(プロフ) - ゆずこしょうさん» ありがとうございます〜！ご期待に応えられるように頑張ります！ (3月21日 22時) (
レス) id: 6efa099dc1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずこしょう(プロフ) - こんな作品待ってました！これからも頑張って下さい！ (3月21日 13時) (レス) @page32 id: e261693cf6 (このIDを非表示/違反報告)
八重(プロフ) - リンちゃんなう！さん» 嬉しいコメントありがとうございます！ぜひこれからもよろしくお願いします！ (3月20日 22時) (レス) id: 6efa099dc1 (このIDを非表示/違反報告)
リンちゃんなう！ - 夢主ちゃんの性格が好みです！楽しくて一気読みしました！続き楽しみにしてます^^ (3月20日 17時) (レス) @page22 id: 99c0a2ef87 (このIDを非表示/違反報告)
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