波間のブルー(ss)二章完(移行へ) (ページ18)

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Aから手を差し出してくれたのが嬉しかった。
大して広くもない部屋の距離を、わざわざ手繋ぎで移動して…
ついさっきまで激しい事シてたのに。
こんな事の方が、胸が熱くなる。

「A…明日さー。いやもう今日か？…昼間さー。海行こうか」
「海？何をしに？」

シャワーを出して、まずは譲ってAが体に当てる。
その音でお互い、自然と声が大きくなった。

「そりゃ泳ぐんだろー。魚と戯れんだよ」

Aはクスクス笑う。
…冗談じゃないんだけどな。
マジな話…そういう良い雰囲気のデート、みたいなさ…
だけどAは笑ったまま。
シャワーがこっちにパスされる。
それを頭からかぶる間に、Aは石鹸を手にした。

「いいよ。でも準備しなくちゃ…今年はまだ水着を出していないから」
「水着…どんなの？」
「うわぁー。はっきり！ね？」
「もう分かってんだろ、決してむっつりじゃないことくらい。で？どんなの？」
「すっ…ごーいの！」
「えっ！？」

シャワーを止めたのと同時だった。
Aの爆弾発言に、俺はまんまとひっくり返った声を上げ。
意地悪な顔に覗き込まれて、俺の顔は熱くなった。

「ふ…ふふふ」
「おーいー遊ぶなよ！もう俺の頭の中、すっげーことになっちゃってんだぞ！」
「あはは！」

俺の抗議の声とAの笑い声。
それが、しばらくバスルームに響いた。