波間のブルー(ss)二章完(移行へ) (ページ15)

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口づけたところから、段々肌が紅く染まっていく。
Aの息が上がって。
何かから逃れるように、クッションや俺の身体にすぐ縋ろうとする。
ぎゅっと指に力が入るたび、嬉しくて…

「なぁ…もっとって言ってよ」
「…もっと」

素直過ぎてやばい。
可愛い過ぎだろ、こんなの。
焦らしたくてわざと時間をかけると、首を振って懇願する。
期待通りの反応。
あー…たまんない。

「はぁ…好きだよ」
「ん。好き…」

言わせたい言葉を、何でも言う。
俺が示した通り、従順に動く。
何度もキスをして。
身体中を確かめ合って。

「…A」

俺の下、目を閉じたAが声を規則的に上げながら揺れる。

…ずっと…こうしていたい。
このまま、俺の物のまま…だったらいいのに。

この時間の終わりと、明日の夜…二人の終わり。
ふと考え始めたそれのせいで、胸が締め付けられそうで。
払拭したくて、目の前のAにますます没頭する。
ただ、夢中で…

「翔。翔…あ…！だめ…」

その瞬間は、幸福感よりもやけに冷めた感覚だった。
だから俺は、体を震わせ意識を遠ざけようとするAの頬を軽く叩いた。

「ん…」
「まだだめだよ。そんなの許さない」
「…翔？」

まだ、だめだ。
まだ…明日まで、お前は俺の物。
俺から目を逸らすなんて…許さない。