波間のブルー(ss)二章完(移行へ) (ページ2)

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離れたがってるAにこれ以上無理しても逆効果。
確かに、舟の上、これ危険。
そう悟り、仕切り直すことにした。

「ごめん。何だ…この雰囲気にやられたかなー。海だ星だと」
「ロマンチック過ぎた？ふふ」

Aから体を離して座り直すと、Aも起き上がって俺の隣に座る。
その距離は、結構ぴったり。
腕、触れてるし。
…つまり俺の行動に、嫌がってるわけじゃないんだよな。

「…A」

それならもっと触れていたい。
その手、指…頬だけでもいい。
顔を近づけて、指を絡めてみる。
抵抗の欠片もない。
あぁやっぱり無理。
これだけじゃ足りない。

「A…キスしたい」

何でわざわざ言葉にしたのかわからない。
了解を得たかったのか？
今さら俺は…

「今度はー。苦しくないので…ね…」

Aはふざけた言葉で、大人っぽく囁いた。
「それは無理かも」
俺は心でだけ調子に乗って、一応そっと唇を触れ始める。
すぐに、Aの体ごと俺の方に向けて。
舟がまた、少しだけ揺れた。