【一次創作】魔法学校の日常 (ページ1)

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第一話ページ1

やわらかな日差しが道行く人々を照らす穏やかな朝。外出するにはもってこいの朝に、とんでもない勢いで街中を突っ切る一人の少年がいた。
「やばいほんとやばい、ほんとに遅刻する！！！！」
今日はこの少年、ロン・ビーブルが入学するトレステラ魔法学校の入学式が行われる日だ。
「よりにもよってなんで今日に目覚まし時計がぶっ壊れるの！？せめてあと一日持ってほしかった…」
完全に直し切れていない寝癖を風になびかせながらロンはトレステラ魔法学校へと急いだ。

「これより、第624回トレステラ魔法学校の入学式をとり行います」
何とか遅れずに入学式に出ることができたロンは安心しながら周りを見渡した。
(うわぁ…入試で来たときにも思ったけど、校舎は大きいし、人が思ってた５倍ぐらいいる)
「次は在校生による歓迎の言葉です。生徒会会長シェイド・シトラスさん」
「今年度から生徒会会長に就任したシェイドでーす。皆入学おめでと～」
壇上にいるシェイドが休み時間に友達と話すような口調で手をひらひら振りながらスピーチを進めていく。
(えっ、生徒会会長があんなに軽くていいの？もうちょっとこうなんか…こういう場ではなんかちょっと難しい言葉で聞いてるほうが眠くなっちゃう感じじゃないの？？)
ロンが困惑している間にもスピーチは続く。
「まずこの学校はー、魔法が使える中でも上位の実力を持った人にしか入れません」
「ここにいるみんなは卒業したら結構エリートな道進めるよ。国の役人とかなれたり大企業からスカウトも受けれるかも。あたしの一個上の先輩とか国の魔法扱うとこのお偉いさんになってたよ、すごくね？」
(すご)
「でもねー、学校のテストとかふつーにむずいから留年とかマジでするしなんなら結構な人数が退学してんだよね、半分ぐらい？どっかいくね」
「だから勉強はしっかりやっといたほうが自分のためだよ～じゃね」
生徒会長の明るい声になかなか重い内容なスピーチも相まって新入生が不安そうにしている。ロンも先ほどまであった安心が吹き飛んでいた。
「以上を持ちまして、第624回トレステラ魔法学校の入学式を閉会いたします。」
(やばいあれから記憶飛んでなに聞いてたか全く覚えてない)
「新入生の皆さんは教室の自分の席についておいてください。クラス分けは生徒玄関の近くに張り出されています。」
放送が終わると同時に新入生たちが我先にと生徒玄関へとむかった。
「えっ皆さんはやくない？！」
少々遅れて、ロンも向かった。