最終話(第10話) 俺の夢は君の夢 ページ19
前回(第9話)から3ヶ月後…。
矢花サイド
矢花の母「家族で出掛けるなんて、久しぶりね(^-^)」
矢花の父「あぁ、しかも家族全員が好きな音楽会を見に行けるなんて(^-^)」
親父が運転する車の中で、俺は窓の外を見ている。
ズラリと並んでいるビルに、飲食店。
俺達、家族は音楽会が開催される東京国際フォーラムに向かっていた。
音楽会に家族で行ったのはいつぶりだろう。
結「お兄ちゃん、一緒にアニメでも見る?」
矢花「ありがとう。けど、お兄ちゃんはいいよ(^_^;)」
結「そう?分かった。見たかったら、言って」
俺の様子に気づいた結が気を遣って、タブレットのアニメ動画を見せてあげようとしたけど、断った。
多分、俺が最近、元気がないから誘ったんだと思う。妹よ、スマン(^_^;)。
えっ?何で最近、元気がないんだって?
実は3ヶ月前に遡るんだけど…。
3ヶ月前の12月中旬…。
矢花「この度は御愁傷様でございます…」
龍の家にお泊まりに行ってから1週間後の事だった。
お母さんの容態が急変し、お兄さん達の連絡で片岡さんが駆けつけて診てもらうも助からず、
そのままお亡くなりになってしまったのだ。
亡くなってから数日後、葬式は白鳥町にある小さな公営斎場で行われる事になり、
通夜の日、俺は学校の制服を着て出席した。
もちろん、家族も喪服を着て参列して、焼香しに向かうと、
晴れやかな笑みを浮かべている龍のお母さんの写真を目にする。
近くには龍をはじめ、お兄さん達が座って泣いていた。
矢花「(龍…(´・д・`))」
俺達は会釈して、親父→母さん→結の順番で焼香し、最後は俺の番になった。
龍は涙目で俺の方を見つめきたので、俺は小さく頷いてから焼香をあげて手を合わせた。
矢花「(龍のお母さん…ちょっとの間でしたけど、お話しできて嬉しかったです。ありがとうございました…)」
心の中で感謝とお礼を言うと、頭を下げた。
会場を後にして家族と話していると、「バナさん」と声がした。
矢花「龍…」
結&両親「龍くん…」
喪服姿の龍が話しかけてきた。あれ?お兄さん達は?
松尾「他の参列者に挨拶しに行ってる。結ちゃん、おじさん、おばさん。お久しぶりです。それと、母のお葬式に来てくれてありがとうございます…m(_ _)m」
矢花の父「あぁ。龍くん、久しぶり」
矢花の母「元気そうで良かったわ」
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年10月17日 22時