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矢花サイド
矢花「(凄いな…夢の為に､生活の為に…｡川��くんは凄いや)」
皇輝「弟も応援してくれるし､高校生になったら自分もアルバイトして稼ぐって言っていたんだ｡『皇輝は学費を稼いで､俺が生活費を稼いで皇輝を支えるんだ!』って｡良い奴だよ(^-^)｡それにアパートの住人の皆さんや大家さんも優しいから､色々と気にかけてくれて｡お世話になりっぱなしだなぁ(^_^;)」
矢花「…」
皇輝「矢花くんは何か将来の夢とか､目標はあるの?」
川��くんがお茶を一口､飲みながら聞いた｡
この事､川��くんに話してもいいのかな?
否定されたりしたら､どうしよ…(´・_・`)｡
川��くんは黙ったまま､俺を見つめている｡
俺は仕方なく､否定される覚悟で話し始めた｡
矢花「俺…音楽系の仕事をしたいなって」
皇輝「音楽?」
矢花「うちの家族は俺を含めて､音楽が大好きで｡小学生の頃は音楽クラブに入っていたし､今は音楽系の習い事に行っているんだ｡だから､大好きな音楽を仕事に生かしたいのが俺の夢」
皇輝「音楽系の習い事って､街の商店街の中にある､ヤマハ音楽教室?」
矢花「ううん｡音楽塾っていう､音楽を学ぶ教室だよ｡このアパート近くの住宅街の中にあるんだけどね」
皇輝「あー､あそこね!知り合いの人から聞いたことあるよ(弟がお世話になったんだよな…(^_^;))」
俺は頷くと､またお茶を一口飲んで口を開いた｡
矢花「でも､進路調査を書いて提出して数日後に呼び出された時…」
今から二ヶ月前の7月､夏休み前…｡
先生「矢花は音大を希望しているのか」
矢花「はい」
生徒指導室で先生と向き合って座り､進路調査の話をしていた｡
先生「どうして､音大に行きたいんだ?」
矢花「大好きな音楽を生かす仕事をしたくて､音大を希望したんです」
ところが､先生は気難しい表情をした｡
矢花「先生?」
先生「矢花｡気持ちは分かるし､矢花の夢を応援してあげたいが､音大はオススメしない」
矢花「えっ…(;ﾟдﾟ)」
先生の否定的な一言に､言葉が出なくなった｡
先生「今の時代は､絵や音楽などの趣味を生かす仕事じゃないんだ｡それに､うちの学校の卒業生は大学を卒業後､一般企業に就職しているのが殆どだ」
矢花「(そんな…(´・_・`))」
先生「矢花､悪いことは言わない｡次の進路調査まで考え直してほしい」
そう言われ､進路調査の話は終わり､
この日はどんよりとしながら､午後を過ごした｡
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年9月15日 11時
