Ｔｏｐａｚ＿2nd＿

◇思うよりずっと＿1 ページ37

大貴side




………ゴホッ……


大「…んー…2時か…」


喉が乾いて起きたら、向かいの部屋から咳き込む声が聞こえた。

俺もたまたま目が覚めただけで、さすがにこの時間に起きている人はいないんだけど………


………ゴホッ…ゴホッ……


冷蔵庫にペットボトルを取りに行って戻ってくる数分の間も続いていたから、帰りに部屋を覗いてみるとベッドに丸まって眠る涼介……と、


慧「…大ちゃん…？」

大「あ、慧……涼介さ、」

慧「うん……」


俺と違って寝起きのいい慧は、涼介の咳き込む声で目が覚めて心配で見に来たていたらしい。


慧「涼ちゃんは俺がみてるから、大ちゃんはもう寝な？」

大「…ん。」


数日前に鍵忘れ事件があり、風邪を引いた涼介。

もう熱は下がっていたし、咳は長引いているようだったけどだんだんと治まってきていて…今朝は普通にしてたんだ。


……でも……寒い日が続いては急に温かくなったりするからな……ぶり返したか……

些細な変化にも敏感な涼介の体は体温調節が上手くいっていないのかもしれない。


………心配だけど……

俺も明日があるから慧に任せて自室へ戻った。



＿＿＿


涼「ｺﾞﾎｺﾞﾎｯ……ん、…はあ……」

慧「辛いね、お洋服替えよっか」

大「…おはよ、」

慧「あ、大ちゃんいいところに。涼ちゃん着替えさせてあげたいから手伝える？」


慧は一晩中、涼介の側にいたらしい。
熱を計ってみると38℃と高熱で、汗もすごい。


大「涼介、体起こすぞ？」

涼「…ん、っ……う、ぁ…」

大「どうした？」

涼「……なん、でも…ｺﾞﾎｯ…ない……」


………この状況で隠すなよ……

と、言ってやりたいけど、慧が目で駄目だと訴えてくるから止めておく。


慧「はーい、大丈夫よ。涼ちゃん、寒かったね…？鳥肌たっちゃってる」

涼「……」


そういうことか……って、隠す必要なくね？


大「涼介、まだ寒い？正直に言って」

涼「ぅ…ｹﾎｯ……さむぃ……やだ…」

大「やだって……」


急に駄々っ子みたいになる涼介に慧は苦笑い。

寒いってことはまだ熱が上がるってこと。
病院に連れていかれると思って、誤魔化そうとしたんだろう。


慧「涼ちゃんがご飯を食べて薬が飲めるなら病院は行かなくていいよ。出来る？」

涼「……わ、かった…」

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