Ｔｏｐａｚ＿2nd＿

旅行＿5 ページ11

大貴side




父親のせいだけど……うちの家族はまとまりがない。

この旅行を誰が仕切るのか、発案者である慧がやればいいんだろうが……そういうのを絶対やりたがらないんだよ。

ここは順番的にも俺が仕切ってやることにした……ら、


涼「はぁ、疲れた……」

侑「ゆーりもぉ…あし、いたい…」

慧「大ちゃんの仕切り悪すぎ〜」

大「お前ら文句ばっかり！！！」


昼間、まずは昼飯だと多数決を取って無事に食事は終えた……そのあとだ。

次に何処へ行くかが決まらず、あっちへこっちへ……朝涼介が心配していた通りになった。

それで夕方、晩御飯が出される時間に宿へギリギリ戻ったらこんなだよ。


大「明日は、」

慧「スケジュール作っていく？」

涼「マジでそうして。大ちゃんにはついていけない」

大「だったら涼介が仕切れよな」


好き勝手に言う家族にムカッと来て……一人お風呂セットを持って風呂へ向かう。

ご飯の時間帯のために大浴場はほぼ貸し切り状態。


大「くは、きもちぃ……」


苛つきも全て文字通りお湯に流していこう、と思っていたんだけど……心配事が一つ。

あいつら俺の分の飯まで食わないよな？

………湯に浸かっていたのは3分にも満たなかっただろう……俺には風呂より飯だった。




涼「あ、大ちゃん戻ってきた」

侑「だいき、おそい！」


部屋へ戻ると休んでいる三人。

俺が出ていく前より少し片付いたくらいでご飯は用意されていない。

…まさか、全部食った？


慧「今運んでもらうね」

大「え、食ってないの？」

涼「大ちゃんを待ってたんだろ」

侑「いっしょにたべるの！」


……これが家族か……すげ、感動………

海の近くだから海鮮モノが多い。
刺身や煮付け、豪華な天ぷらなんかも並べられる。


大「うまそ……」


ごくっ……生唾を飲み込む音がおかみさんにも聞こえたようで。
涼介にまた毒舌を吐かれたけど気にしない。


「「「「いただきます！」」」」


涼「侑李、どれ食べたい？」

侑「おおとろといせえびぃ」

慧「侑ちゃん、大トロ知ってるの？！」

涼「はい、あーん」

侑「あーんっ…おいちぃ」

慧「今のかわいかったぁ〜！もっかいやって侑ちゃん」


食事中に慧はカメラを向けて、涼介と侑李を撮りまくる……って、オーイ！！俺は？！

飯に夢中で美味いしか言ってないけど背中向けてねぇで俺も構えや………この味噌汁うまっ！


慧「ぷはっ、大ちゃんがっつきすぎ」

大「おまへひまとるなお！(お前今撮るなよ)」

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