Ｔｏｐａｚ (ページ33)

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思い出の＿3 ページ33

慧side

大貴から連絡があって。

涼介が大変だからとにかく急いで来て！と電話越しに焦った声。

詳しくは分からないまま、侑李を乗せて車で向かう。

数分走らせて踞る二人の学生の姿が前方に見えた。

涼「いっ、……はあ、ぅ……」

大「慧、」

涼介は頭の痛みを訴えてまともに会話もできない状態で。
………これは片頭痛だろう。

慧「涼ちゃん、もう大丈夫だからね。大ちゃん、車に乗せるの手伝ってくれる？」

大「おう、涼介ちょっと揺れるぞ…」

涼「い゛っっ……！」

動かすと痛みが酷くなると聞いたから、可哀想だけど……なんとか車に乗せ自宅まで急ぐ。

大貴も学校どころではないと涼介の隣にぴったりとくっついたまま。

慧「涼ちゃん、ソファに下ろすよ？」

涼「っ、たぃ………うぅぇ……」

大「気持ち悪い？今袋持ってくるからな」

大貴がせっせと動くなか、俺は薬と水を用意する。

侑李は泣きそうになりながらも、涼介の手を握っていた。

涼「、っ………うぅ……ゆ、り……」

侑「りょおすけぇ……」

慧「涼ちゃん、お薬飲もうね」

唸る涼介の体を抱えて開いた口の隙間に薬と水を流し込む。

早く効果が出てくれるといいけど………可愛い息子が苦しんでいる姿を見るくらいなら、全部俺がもらってあげたい……

光や音は刺激になるから、黙ってそっとしておくことしか出来ない……ごめんね………

侑「……けぇくん、りょおすけ、ねちゃったよ」

慧「んー？あ、よかった……寝れたんだね」

侑李の保育園や涼介の学校へ連絡して……ついでに自分の仕事の電話も済ませて戻ると、和らいだ表情で眠っている涼介。

手はしっかりと侑李と繋がれている。

大「和室に布団敷いたけど、起きちゃうかな？」

いつのまにかエプロンをつけて家事をしていた大貴。

………何か大事なことを忘れている気がするよ？……まあ、いっか。

慧「制服だと苦しいから着替えもさせてあげたいなぁ……」

大「とりあえず運ぶわ」

大貴が涼介を抱っこして、侑李がそのあとをついていく。

涼介は薬のお陰か布団へ運んでも着替えをさせても起きることなく眠っていた。